ワクチンの接種券が届いたその日に予約ができるのか確認した。しかし枠はすべて埋まっており、次の枠が設けられるのがいつなのかもわからなかった。そもそも私の年齢に向けた枠自体がなかったのかもしれない。「若者は重症化しない、若い方が副反応が出やすい」そういうことを聞いていたので予約ができないとわかった時、少しほっとした。もとから打つ気はなかったが枠が埋まっていることで周りに打ちたくても打てないといったような言い訳ができるからだ。そして注射自体が大嫌いだからだ。大人にもなって。
しかししばらくして状況が変わった。親の職場の分で私でも予約をしワクチンが打てることになった。困ったことになった。届いた接種券では予約ができないのにいざ別で予約できるとなると躊躇してしまう。今は両親と暮らしている。家族でワクチンを打っていないのは私だけ。では打つべきなのだろうけども打てばメリットがあるがもちろんデメリットもある。自分(周りの人)の身体生命に関わることだがそんな決断を今までしたことがない。幸いにも大病をしたことがなく体も強いわけではないがそれなりに健康に暮らしてきた。インフルエンザにもかかったことがなく予防接種もしたことがない。打たなくてもいい理由ばかりを探してしまう。これは選挙に似たようなところがあると思った。若者が選挙に行かない理由として一番聞くのが「一票じゃ変わらない」だ。これもまず投票するのが面倒で政治について考えたくもないというのが大前提なのだろう。なのでこのようなことを言って、投票しない自分を守っている。ワクチンについてもそうだ。「重症化しない、副反応がある」という言葉を掲げ行動しない。それ以前に考えもしない。
これで考えが少し変わった。これまで普通に言われてきた「重症化しない」は確かにそうなのかもしれないが軽症、中等症にはなってもいいというのか。中等症は多くの人にとって人生で一番苦しそうだ。ワクチン自体の効き目がいつまで持つのか、変異したウイルスには効くのか?打たない理由は無限に思いつく。でも発症して苦しみたくない。年末に資格試験を控えておりその時に発熱するかもしれないことを考え、ワクチンを打つことにした。仕事にも影響があると思う。嫌いな注射を2回、腕は痛み、熱もでるだろう。仕事も休むだろう。でも打つ。もし効き目が1年くらいでなくなるのであればまた打てばいい。そう考えるようになった。変に賢ぶるのではなく、苦しい思いをしたくないから打つ。それでいいんじゃないか。
1回目が今月、2回目を来月に予定している。不安で仕方がない。
ごちゃごちゃうるさい さっさと打て