無能な社員の唯一にして最大の利点は、自らが会社の欠点をあぶり出すということだと思う。
無能な社員を採ってしまった経緯、その社員を適切な配置に置かなかった理由、そんな人間に仕事を任せないといけないほどだめな程の人材不足、そして教育や仕事がそういう人間がやってもできるようになってない点をあぶり出す。
おそらくきちんとした会社ならば、その人の能力を適切に見極められるのだろう。仮に採用してしまっても教育できるし適切な配属先が存在すると思われる。そういうところは「ああいう奴でもこうすればできるのか」と内外から評価されると思う。それが全体のしごとの効率化をあげることだってあるかもしれない。
でもうっかり採用したはいいけど教育もサボり、とりあえず仕事を与えておけば何とかできるだろうと放置するような会社は存在する。しかし普通の人からするとそれが当たり前らしい。仕事は与えられたものを納期までに終わらせるのが当たり前で、そんな当たり前のことができない人間が存在することが不思議でしょうがないらしい。ここにいるんですよ。
恐らく他の人は個々人の能力自体が高いか、経験値があるから仕事自体は滞りなく回せる。でも自分のようなダメ社員を面倒見ることは慣れていないし、それをできる環境でもないのだろう。できないひとを罵倒するような環境だとなおさらだ。
悪いことにそういうことはできの悪い人間の立場からよくわかる。下手に有能な人は自分でなんとかしちゃうから問題視しないか、どうせ大したことないと思ってる。できの悪い人間には死活問題でも有能な人には見えていない部分は多い。だけど自分のような人間がそれを見えていても、無能な社員の意見をまともに聞く人は滅多にいない。言葉を尽くしても結局は「お前のようなクズが悪いだけだろ」で終わるのだ。有能な人の多くが自己責任論に走るのは致し方無いといつも割り切っている。だから退職するしかない。お互いに問題は解決しないまま。