異動の内示が出た。三年いた企画部門からイベント系の部門へ。今の職場は夜は遅いし(アベレージ22時退社)、守備範囲は広いし上司に忖度しなきゃだし、課内で唯一の女だから、自分の業務以外にも身綺麗にして役員秘書やったり備品の管理したり冷蔵庫の掃除したり色々やらなきゃいけなかった。
それに比べれば新しい職場は残業はないし休みも取れるし働きやすいらしい。女性も多くて女性が働きやすい職場だと思うよ!と既に在籍している同期の女子がにこにこしている。なるほど、そりゃあいい。
だというのに、憂鬱で仕方ない。私のいいところは、男性並に残業してもピンピンしてるのに、女性らしさがあるところだとかつて上司に言われたことがある。聞いた瞬間はおいおいこのご時世に?と目の前が真っ暗になる心地だったが、いつのまにかそれがアイデンティティになっていた。若くて可愛いのに、根性があってぐいぐい仕事をする、みたいに評されるのが、いつのまにか嬉しくなっていた。
男の中にいるから評価されていたものが、女の中にいくと評価されないかもしれないと思うと怖くて仕方ない。女社会では少なくとも、残業が長くできるとか仕事をたくさん抱えられるとかは褒められるポイントではない気がする。物おじせずに総会でプレゼンできることも、コンサルとやり合えることより、いつもニコニコしていて家庭的で、夫や子供のお弁当を毎日作ってます!みたいなのが評価されるとしたら?
内示は間違いだった、まだ今の職場にいなさいって言われないかなと毎日思ってしまう。自分のことを女性的でジェンダーなんかにも興味があると思っていたから、自分がこんなに男性性を内面化しているとは思わなかった。でも、理性とは別の場所で怖くて仕方ない。