築60年を越える立派な家を内見させてもらった時の話。
広さや立地は理想的だけれど「長らく人は住んでないけれど」という前置きがあったので、ほとんど期待せず見に行った物件だった。
中に入ると、築年数を感じさせないほど管理が行き届いた非常に綺麗な建物で、今の言葉で言えば古民家風なのにリビングにはシャンデリアがある和洋折衷な雰囲気が面白い、値段を考えると非常にお買い得な物件で、「間取りはちょっと古くさいですが、凄く良い材を使っているので水回りだけリフォームすれば長く住める物件ですよ」という不動産屋の言葉にも手放しで納得するぐらい、素人目に見ても「良い家」という印象を抱かせる建物だった。
嫁も「この物件いいね~」と言っていて、他にも数件内見予定だったけれど、この物件で決めてしまおうかと考えていた時に、一本の立派な柱が目に入った。
そこには日付と名前と共に線が引いてあって、「1973 10 21 たくや」と書かれた背比べの跡が刻まれていて、この建物に住んでいたであろう家族の残り香を感じさせた。
自分の膝ぐらいの高さには大人の字で、腰ぐらいの高さになると子供の字で、胸の高さになると少し雑な字で同じ様に日付と名前が刻まれており、『たくや』と『さおり』が競い合うように順々に刻まれているのを微笑ましい気持ちで下から上に眺めていくと、遥か上に突然「1982 1 1 えつこ」と子供の字で刻まれているのが目に入った。
身長が190cm近くある自分が見上げるぐらいなので、2mを優に越える位置に刻まれているその文字を見て、急に寒気がした。
子供のイタズラだと思ったが、脚立を使わなければ書けないだろう位置に子供がわざわざ何の面白味も無い文字を書くだろうか、いっそアニメキャラクターの名前や外国風の名前だったらイタズラらしさがあって安心できたのだが、妙にリアルな『えつこ』という名前が不気味さを一層高めていた。
考え始めると長らく誰も住んでないはずなのに異様に綺麗な物件自体に不気味さを感じてしまい、不動産屋の説明も途中に内見を切り上げてしまった。
不動産屋が運転する車の後部座席で嫁に「気に入ってるみたいで言い出せなかったけど、あの物件なんか変かも」と耳打ちすると、嫁からも「最初は良いと思ったけれど、住んでないって言う割には生活感があって変だった」言われ、違和感を抱いていたのが自分だけじゃなかったことで現実感が増して、何だかその日は落ち着いて眠ることができなかった。
廻れば大門の見返り柳いと長けれど、お齒ぐろ溝に燈火ともしびうつる三階の騷ぎも手に取る如く、明けくれなしの車の行來ゆきゝにはかり知られぬ全盛をうらなひて、大音寺前だいお...
たけくらべ?
地震と火事に遭わなければいいんだが
自分の実家にも家族で背比べをした柱があるんだけれど、何年か前に里帰りした時に見たら知らない女性の名前で日付と線が刻んであったことがある。 160cmぐらいの高さで名前も漢字の...
面白い 元増田と合わせて短編小説一本書けるな
これマンガで呼んだ気が・・・
女で身長が2m越えたらバケモノ扱いか、と2mちょいの運動神経が極限まで悪い女が泣き言を言ってみる。 2mを越えると「モデルさんみたい」って高身長女子を慰めるワードも掛けられず、...
ジーンズの足切らんでも履けるのは相当なアドバンテージやな かっこええやん
女で2m超えという時点で日本に何人もいない程度には特定されそうだけど大丈夫なのか