2021-01-02

反出生主義ってのは呼び方が間違っていて、正確には「反出生絶対価値主義」なんだよね

「生まれてきたことそのもの無限大価値がある」

「生きていることそのもの無限大価値があり、無限大幸福がある」

といった概念に対するアンチテーゼが反出生主義と呼ばれているものなんだよ。

これは反知性主義が反「知性主義」ではなく「反知性」主義として扱われているのに近い問題だ。

そもそもをして誰が名付けたのか名前自体が混乱の元となっている訳だな。

反出生主義は、「生まれ落ちること」を否定しているのではなく、「出生そのものに∞の価値を期待されて産み落とされること」を否定しているわけだ。

まりは「生きているだけで価値がある」という概念に対して、生きるということはフラットであり不可逆ではあってもプラスでもマイナスでもないと考えてもいいのではと疑問を投げかけているのが反出生主義と呼ばれるもの価値観だ。

よく勘違いされる「反出生主義の人は子供を生むこと自体否定している」というのは途中経過をすっ飛ばしものなんだ。

反出生主義が安易出産否定するのを段階的に説明すると。

  1. そもそも今の世の中には「生む(生まれてくる)ことそのものに+∞の価値がある」という迷信じみたもの蔓延している
  2. 反出生主義はその「+∞の価値」に対して疑念を抱いており、本当は「±0の価値」なのではないかと思っている
  3. 新しく生まれてくる命が幸福になるかどうかは、もしも出生に「+∞の価値がある」のなら疑う余地はない
  4. しかし、出生の価値が「±0の価値であるのならばそれは生育環境社会情勢によって左右される
  5. その中でそれぞれが生まれてくる人間幸福計算した結果、「出生の結果が不幸な人間を増やすだけになりうるパターン」が見いだされる
  6. 反出生主義者から見ればそのパターンになる場合であっても、世間では出生そのものが持つ「+∞の価値」によって差し引きでは+∞の幸福が待ち受けていると考えられている
  7. この両者の考えの違いにより軋轢が生まれている

これが現状だ。

この過程無視して、「反出生主義者はすべての出生を否定している」というのはそもそもが誤りなのである

おわかりいただけただろうか

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