18歳で、顔だけはいいバツイチの19歳の男に嫁ぎ、4人の子どもを設けた。夫婦仲は良くなくて、とても良くなかった。
唯一家庭を維持できたのは、そんな3人を見ていた三男のみ。
私は長女の娘で、長女もその夫も等しくクソで、私の家庭にはいつも暴言と暴力があった。でもそれが当たり前の環境だったから、おかしいと思ったこともなかった。
骨がずれるくらい殴られても、包丁で刺されそうになっても、4時間ずっとヒステリックに怒鳴られ続けても、それが当たり前だと思っていた。
ただ私は縁あって外に出て、そのときに姉に「もう二度と戻ってきてはいけないよ。ここは地獄だからね。お前はそこで幸せになりなさい。もうここのことは忘れなさい」と言われ、出てきた。
あれからもう20年近くが経つ。祖母の余命がもう1か月ほどしかないといわれた。
私は祖母に聞きたかった。あなたの人生はなんだったのだろうと。夫に裏切られ、子どもたちは幸せとは言い難く、夫と子供を自殺で亡くし、孫も子どもも寄り付かない。
子どもの頃に泊まりに行くたびに、無関心に背中を向けてテレビを見ていた姿を、しかし姉と連れて行ってもらった喫茶店で食べたチョコバナナパフェを、法事で会ったときに「(30年前に)お前がおいしいといっていた大根の煮物を、今度持たせてあげるからね」と言っていた姿を思い出す。
もう祖母は、孫の顔も名前もわからないと言っていた。だから私の問いに答えることはできない。
だけど祖母に聞きたかった。故郷を捨てた私から、地獄の渦中で生きることしかできなかった祖母に聞きたかった。あなたの90年近い人生は、幸せだったのですかと。
冒頭の、長男、長女とかを補語でいちいち説明しないあたりが小説的というか、 これぞ増田文学という感じがする。 教養がありそうな文体だし、とても毒親家庭出身にはみえないが・・...
これの続きです。 https://anond.hatelabo.jp/20201213191232 問わず語りの独り言みたいなもんです。姉と2人で、祖母に最後に会いに行った。祖母の余命はあと1か月、週末からは面会制限が厳し...