これの続きです。
https://anond.hatelabo.jp/20201213191232
問わず語りの独り言みたいなもんです。姉と2人で、祖母に最後に会いに行った。祖母の余命はあと1か月、週末からは面会制限が厳しくなる。
祖母は思ったよりもはっきりと発声していて、ただ記憶は混濁しており、また記憶が混濁しているという自覚症状もあった。
姉は祖母と仲が良く、祖母は姉のことはわかるようだった。そして、自身の子ども(私にとっての母であり、叔父叔母のこと)も。
ただ祖母の記憶に一番残っているのは、自殺して旅立った夫でもなく、唯一円満な家庭を営んでいる三男のことでもなく、自殺した長女(私の母にあたる)のことだった。
30分ほどの滞在時間の間、祖母は幾度となく、「なぜ(長女)は先に逝ってしまったのか」「なぜ(長女)はいなくなってしまったのか」「(長女)はもうおらん」と繰り返した。
認知症になるのは、死への恐怖をやわらげるためだと聞いたことがある。
でも祖母にとっては、自殺で自らの命を閉ざしてしまった長女のことはずっと痛みとして残っているのだから残酷なことだなと思った。
「元気になるための入院だよ」と励ます一方で、「大丈夫、(長女)はあっちで待っているからね」と声を掛けたことが、良かったことなのか悪かったことなのかはわからない。
小さくなった祖母の顔、しわだらけの祖母の手は、びっくりするくらいひんやりとしていた。
「元気でね」という私たちに、祖母は「あんたも体に気を付けて過ごしまっしね」と何度も繰り返していた。
祖母が最後に泣いたのだけど、どう返したものかわからなくて、結局「またね」と言ってしまった。もう私は生きた祖母に会うことはないのに。
もうすぐ祖母が死ぬ。多分90歳くらいだ。 18歳で、顔だけはいいバツイチの19歳の男に嫁ぎ、4人の子どもを設けた。夫婦仲は良くなくて、とても良くなかった。 長男はバツ2になって子...
これの続きです。 https://anond.hatelabo.jp/20201213191232 問わず語りの独り言みたいなもんです。姉と2人で、祖母に最後に会いに行った。祖母の余命はあと1か月、週末からは面会制限が厳し...
冒頭の、長男、長女とかを補語でいちいち説明しないあたりが小説的というか、 これぞ増田文学という感じがする。 教養がありそうな文体だし、とても毒親家庭出身にはみえないが・・...