鬼滅の刃が社会現象になっている理由について色々な理由が考察されているけど、一番の理由はこれだと思う。
つまり「鬼滅以前のジャンプには鬼滅の刃のような作品が存在していなかったから」。
鬼滅の刃の連載が始まったのは2016年11月だったけど、当時の少年ジャンプって日本の「失われた30年」みたいな雰囲気だったと思う。
90年代(ドラゴンボール・スラムダンクその他)のような黄金期はとっくに過去のものとなり、いつ終わるか分からないワンピースとファンも半分諦めているハンターハンター、そして新しく出てきてはすぐ消えていく90年代の焼き増し劣化コピーのような新作ばかり。
今までジャンプ作者が思いつかなかったような世界観やキャラクターの作品が新鮮だった。
そしてそれが読者や時代に見事にウケたので大ヒットになった。
つまりは、鬼滅の刃の大ヒットの構造的要因とは「90年代の黄金期の否定」なんだよ。
ジャンプに必要な友情努力の原理原則は守りつつ、90年代とは全く違う漫画を作ったから大ヒットした。
2013年に大ヒットしたドラマ・半沢直樹についても同じだと思う。
当時のテレビドラマは刑事モノ・医療モノ・弁護士モノばかりで、銀行モノのドラマはほとんど無かったと思う。
どのテレビドラマも警察か病院か弁護士事務所か裁判所ばかりで視聴者が内心飽き飽きしていたところ、それまで思いつかなかった銀行ドラマということで大ヒットしたのではないか。
半沢ドラマは主演俳優の独特のオーバーアクションがあの時期に完成形に至っただけだし、オニメツのハは、単にアニメのキャラの絵が丁寧に描いてあったから、先を知りたいニワカが...