競馬には必勝法とは言わないまでも、確率的に優位に立つ賭け方が存在する。
この方法では、競走馬に関する知識は全く必要無い。端的にまとめると、
というものだ。複数の「馬単」馬券を計算に組み込むことで偏りを補正し、補正した値と実際の「単勝」オッズを比較するのである。
そして、控除無し(=胴元の取り分を抜いた)オッズを越える馬にだけ賭けるわけなので、期待値は100%以上となる。
まあ、確率的事象なので、1レースだけ賭けて確実に儲かるという手法ではないが、長期的には優位となる賭け方である。
<実践編>
多頭数だと計算が面倒なので、昨日の札幌5レース(新馬戦、6頭立て)から。
1-2 | 9.2 | 2-1 | 11.3 | 3-1 | 135.5 | 4-1 | 128.0 | 5-1 | 91.9 | 6-1 | 3.1 | |||||
1-3 | 62.3 | 2-3 | 90.8 | 3-2 | 159.5 | 4-2 | 149.3 | 5-2 | 113.8 | 6-2 | 4.6 | |||||
1-4 | 59.7 | 2-4 | 77.5 | 3-4 | 320.9 | 4-3 | 317.2 | 5-3 | 263.6 | 6-3 | 32.0 | |||||
1-5 | 44.6 | 2-5 | 68.3 | 3-5 | 280.3 | 4-5 | 249.6 | 5-4 | 255.0 | 6-4 | 29.1 | |||||
1-6 | 5.2 | 2-6 | 9.4 | 3-6 | 88.0 | 4-6 | 80.8 | 5-6 | 59.1 | 6-5 | 24.5 |
まず、1番の馬を1着とする「馬単」のオッズの逆数和は、1番だと1/9.2+1/62.3+1/59.7+1/44.6+1/5.2≒0.356227。
2,3,4,5,6番では、0.233436、0.031697、0.034046、0.043304、0.646403。
ここから、「単勝」の控除無し推定オッズは、1番だと、(0.356227+0.233436+0.031697+0.034046+0.043304+0.646403)/0.356227≒3.8倍。
2,3,4,5,6番では、5.8倍、42.5倍、39.5倍、30.4倍、2.1倍。
1 | 2.9 |
2 | 4.6 |
3 | 38.9 |
4 | 35.3 |
5 | 23.6 |
6 | 1.8 |
である。まだ、推定オッズの理屈を説明していないが、少なくとも、この例においては、推定オッズの大小と実際のオッズの大小の並びが揃っており、推定オッズの妥当性が確認できる。
(推定オッズに0.8(=1-控除率)を掛ければ、値もかなり近くなる。)
しかし、実際のオッズが推定オッズを超えなかったため、今回のレースは「見」となる。
少頭数なので、オッズの偏りも小さいのだろう。
ちなみに、実際の「単勝」オッズ÷「単勝」の控除無し推定オッズで、「単勝」オッズの適正度がわかる。
(値が小さいほど、実際のオッズが相対的に低い。つまり、買われ過ぎている。)
1 | 0.767 |
2 | 0.798 |
3 | 0.916 |
4 | 0.893 |
5 | 0.777 |
6 | 0.864 |
ひとつ上の表のとおり、単勝人気は6,1,2番の順だったが、適正度を見ると、6番よりも1,2番の「単勝」が買われ過ぎていたことがわかる。
「見」となった場合は、このように、人気馬同士の「単勝」馬券の適正度を比較して、それが高い「お得な馬券」を買っても良いのかもしれない。
<理屈編>
以下では①の部分を説明する。
例として、1番の馬の単勝馬券を2000人が、その他の馬の単勝馬券を8000人が買ったとする。
その場合、1番の馬が勝てば、10000人の賭け金を2000人が分け合うことになるので、単勝オッズは、10000/2000=5倍になるだろう。
つまり、(1番の単勝オッズ)=(全購入者数)÷(1番の単勝馬券の購入者数) …(☆)である。
(実際のオッズでは控除率を考慮したりでもう少し複雑であるが、省略する。)
この式から、1番の単勝馬券の購入者数は、そのオッズに反比例するということがわかる。
たくさん買われた馬のオッズは低くなるのだから「反比例」なのは当たり前と言えよう。
どうやって推定するかというと、1番の馬を1着とする「馬単」の購入者数を使うのである。
ここで、1番の馬を1着とする「馬単」を購入した人は、仮に「単勝」しか購入できない場合、どの馬券を購入するだろうか考えてほしい。
1番の馬を1着とする「馬単」は、1着が1番、2着がその他の馬の馬券なので、「単勝」であれば、1番の馬券を購入するはずである。
そのことから、1番の馬を1着とする「馬単」の購入者数を足し込んで、「単勝」の推定購入者数とするのである。
よって例えば、4頭立てで、「1-2」の馬券を1000人、「1-3」の馬券を2000人、「1-4」の馬券を3000人購入するとしたら、1番の単勝を6000人が購入すると推定するのである。
ここも、「馬単」の1着側での人気馬は「単勝」でも人気になるのだから、推定できるのは当たり前だと言えよう。
そして、(☆)の式を使えば、推定購入者数から「単勝」の控除無しの推定オッズが算出できる。
あとは、1番の馬を1着とする「馬単」の購入者数とオッズの関係がわかれば良い。
まず、(★)の考え方から、馬単「1-2」の購入者数は、「1-2」のオッズに反比例する。馬単「1-3」の購入者数も、もちろんそのオッズに反比例する。
よって、1番の馬を1着とする「馬単」を購入した人数の総和は、1番の馬を1着とする馬単のオッズの逆数和に比例するということになる。
つまり、「『馬単』の購入者数は、オッズの逆数和に比例する」ということになる。
以上をまとめると、「馬単」のオッズ→(逆数和)→ある馬を1着とする「馬単」の購入者数=「単勝」の推定購入者数→(☆式)→「単勝」の控除無し推定オッズ
として、実際の「単勝」オッズと推定オッズを比較するという流れである。
ちなみに、「3連単」のオッズからも、馬番毎に1着固定のオッズの逆数和を計算して、「単勝」の控除無し推定オッズが算出できる。
「3連単」になると、計算量が格段に増えるが、その分だけ偏りが平準化されるはずなので、可能なら「3連単」のオッズを使った方が良い。
まあ、それでもプログラムを組まずにExcelで計算できるレベルなので、もし興味を持ったのなら、今日のレースで検証してみるのも容易だろう。
真偽はともかく、計算はしやすいね。 今日のメインレースで試してみるか…
長文乙。興味は持った。
増田ではなかなか見られない系統の記事だな。わかりやすい。
予想で利益挙げるのは難しすぎる。 単勝オッズと馬単オッズから、オッズの偏りを推定して確率的に優位に立つ方法がある。 https://anond.hatelabo.jp/20200823114230
競馬予想は、こないだのqiitaの記事みたいに、過去データを機械学習なりで処理する手法が流行ってるみたいだけど、たしかに、オッズの偏りから算出する方が確実だし、計算も単純で済...
単勝や複勝は、一点買いで大量に購入する人間が居るのでオッズが偏りやすい。 これを、他の購入形式で推定したオッズと比較して、相対的に今のオッズが高いのか安いのか判断するの...