私が今この世に居るのはあの犬のおかげだと思う。
出会いや犬種を書くのは気が引けるが、私がたった1週間弱の一人暮らしをした時、母と衝突した時、何もかもが上手くいかなくて事ある毎に「死にたい」と思った時、脳裏によぎるのはいつもあの犬の笑顔だった。
はてな匿名ダイアリーで、なぜこんなことをいきなり書いたかには理由がある。
先日あるSNSで、【自分の飼っている犬が満月の夜にほんの一瞬、数分間だけ人間の形を成して言葉を交わせるとしたら、何を伝える?何を聞く?】という発信を見た。
ありふれた想像だが、多くの愛犬家がほんの一瞬でもこの子に言葉が伝わったらと思ったことがあるだろう。
普段の私はというと、気持ちが強いときにある、物事を諦観しているような“おもて”がある。
なんとなく、自分の名前を明かして書くには気恥しさに耐えられなかった。
色々なことを考えた。
拙い語彙で、陳腐な表現で、どうにか美しく私の想いを飾ろうとした。
人並み以上に本を読んできたし、国語の成績もずば抜けていた。
作文や小論文も自信があった。正直、犬に対する想いを言葉にすることくらいなんとでもない、と舐めて掛かっていたのだ。
こう書くともう亡くなっているかのようだが、もちろんまだ生きている。
あなたの毛並みは本当に素晴らしく、まるで輝く宝石のようだった。あなたは言葉の通じない私に対して深い深い思いやりがあり、何度その心に救われたかわからない。あなたが生きて、健康で、傍にいてくれることだけが私の幸せなんだと、伝えたいことは沢山あった。
だが、いざ数分間で何を伝えるか、と考えると感謝の言葉しか出てこなかった。
あの犬を褒め讃える言葉はいくらでもある。あの犬の素晴らしさをほんのひとかけらでも伝えられる。でも、私があの犬に伝えたい言葉は「ありがとう」だけだった…。
“あの犬”と言っている犬は老犬で、犬種的にもそうそう長生きは見込めない。
出会ったのはあの犬が4歳の冬。空は分厚い雲に覆われ、風は無く、何枚着ても冷たさが足元から這い上がってくるような日だった。
あなたが私を嫌っても、死ぬまで、死んでも傍に居る。新しい犬を迎えて、あなたが思い出になっても、あなたは誰とも比べられない私の1番の友。どうか来世でもきっと、あなたの友になりたい。
追伸
はてな匿名ダイアリー初投稿、感情が乱れているので文章がごちゃごちゃです。ここまで読んで頂いた方、ありがとうございました。
🐕メンヘラは勘弁ワン!