車で10分もかからない距離だったと思う アップダウンがかなり激しくてふた山くらい越えなきゃだからチャリだとキツそうだけど、キツいといっても無理ではない距離だった
いこうと思ってたんだよなあ 大学の夏休みに帰省してさ、朝9時くらいに家を出て、自販機で水買って、汗を拭いつつセミの鳴き声をBGMにチャリを漕ぐわけですよ 体力ないからときどき止まって、登り坂はチャリを降りて呻きながら登り、下り坂は風を感じながら駆け下りる 海が見えて、まあいつも車に乗って見てるところだしものすごい感動があるわけでもないんだけど、やっぱり自分の脚で来たという感動はそれなりにある 潮の香りのなか海沿いをチャリで走って物産館に行き、ちょっと商品を物色したあと併設のレストランで早めの昼食にフライ定食を食べる 食べ終わったら海に行って、日焼けを気にしつつ海面を眺める 帰り道はただただ苦痛 エアコンの風につつまれることを想像しながら無心にチャリを押す そういう小旅行を妄想してたわけだ
チャリが チャリが捨てられてなかったらなあ いや、チャリが健在でも暑いつって行かなかった可能性はあるけども でも行ってた可能性も結構あるんだよなあ 帰省したらチャリが無かったときのあの感情……
青春ってひとりでもやれるんだよな バカらしいことを全力でやればいいわけで、友達とか彼女の存在は不可欠ではない
夏休みにひとり、5キロの山道をチャリ漕いで海まで行く たいしたことなさを含めていかにも愛おしい青春の思い出になりそうだ
もうキツそうだなあ
体力がすっかり落ちてしまった 山道をチャリ漕いでたらしにそう つかチャリ買わんといかん 実家にもなかなか帰れない チャリなんて買ってどうする?
いっそ折り畳みのマウンテンバイクみたいなのを買えばいいのかな でも、青春海紀行は通学に使うようなママチャリでやるからこそのものなんじゃないかな
ああ…
いい海に行きたい 程よく田舎で、程よく行きにくい海 いや、いっそ電車でもいいや 普段いく方向ではないけどいこうと思えばいける距離に素敵な海が欲しい 今は海が遠すぎる