「そのうちの一人がDMいっぱい送ってくるんだよね〜」
と裏垢で呟いている人がいた。
「何人かはフォロー返ししてるから、本垢のフォロー欄見れば分かるよw」
というのでチェックしてみた。何人か目星はついたが全員既婚者のオッサンの芸能人で、フォロワー数は多いがフォロー数は絞っている人ばかり。
吐き気がした。
その発言の主は女装した姿をアイコンをした男性(本人曰くヘテロらしい)だが、本垢では性別を明らかにしていない。
そして美少女であることを売りにしている。実際に美形であるし女性にしか見えない。ツイート内容は面白くてフォロワー数も多い。
「そのうちの一人がDMをいっぱい送ってくる」理由は推測の域を出ないが、下心だとしたら……気持ち悪すぎる。
TwitterなどのSNSは人の心の闇の部分を浮き彫りにする。
私が、好きな人にはSNSをやってほしくないと思うのも、見なくて済む闇なら見ずに済ませたいからだ。
人の薄汚い部分なんて見たくないからだ。
美少女アイコンの彼が裏垢でそんなことを呟いたのは、おそらく単純に嬉しかったのと、少しの自慢したい気持ちからだろう。
でももうウンザリしてしまった。超人然としているように見えたけれど、その彼も含めた誰もが所詮はただの人間である、という事実をあらためて見せつけられてしまったからだ。
彼のツイートはとても面白くて好きだったが、今は「見たくないものは見ない」方針で生きているので、本垢も裏垢もフォローはもう外そうと思う。
今、「アルジャーノンに花束を」を読んでいるんだけど、チャーリイのIQが高くなるにつれて周りの人間にどんどん幻滅していく様子にとても共感してしまっている。
もちろん私は一時期のチャーリイほどIQが高いわけではない。しかしこの小説は、自分を含めた人間の薄汚さや闇を見てしまったときにありがちな心の動きをとても精緻に表現していると思った。
【追記】
たまたまだと思うが、この増田を投稿した直後に彼は裏垢に鍵をかけてしまった。なので誰かが検索してももはや見つけられないだろう。本垢はおそらくすぐに見つけられるはずだが。
しゃぶれよ