半年ほど前。大卒から一筋で貢献してきた会社においての待遇が悪くなりそうで悩んでいたところ、以前から懇意にしていたある会社の経営陣から熱心に口説かれ、運良く役員として入社した。
誘ってくれた彼らへの恩返しの気持ちもあるが、そもそも期待される仕事は未経験でありながらも、事前にあらゆる事例を見聞きし研究したことで自信はあったので、全力で遂行すると心に誓った。
入ってみるとその社内は、古株達が大した仕事もせずに胡座をかき若手の意見を封殺しいる始末で、様々な問題を抱えたままでいる事に気づく。まさにそのど真ん中で自分が解決に向け東奔西走する日々。経営陣などを説得してとにかく必死にあの手この手で解決策を講じていった。
事前学習の知識から意思決定をする自分に対して、保身のためであろう反対意見を呈すベテラン部下の意見ほど無価値な物は無くむしろ害でしかないので、根回しして自分の直下から排除するような汚れ仕事もした。
しかし、こんなに尽くしているのにこの半年で公式非公式含めると複数回コンプライアンス違反を告発された。セクハラだモラハラだパワハラだ、と。
ぬるま湯に浸かった連中にとって自分のやり方は強引にうつったようで、その反抗でハラスメントなどという誹謗中傷が噴出したわけだ。これ以上はさすがにまずいので、ほどほどにせねばならない。
そんなことがあっても経営陣から自分への信頼が厚い事は泣けるほどありがたいが、自分の戦いはまだ始まったばかりだ。あの感動を与えてくれたラグビー日本代表のワンチームのような優れた組織に作り直すのが自分の役目なのだから。
きっと仲間はいると信じれば孤軍奮闘、誹謗中傷の日々も辛くはない。そんな自分へのご褒美に、高い酒をたらふく飲む。いやほどほどに。