2018-12-23

地頭もそうだけど「絵の上手さ」なんかも妙に万能信仰がある

「絵が上手い」っていう抽象的な表現

デッサンがきっちりとれることも

神経質なくらい細かな書き込みが得意なことも

個性的で華やかな色使いが出来ることも全部表されてしま

そして結構割合

絵がうまければ漫画も描けるし自在に絵柄を変えられるし

みたいな万能信仰を持ってる人がいる

いやこれはだいたい本人は違うつもりなんだけど

絵描きからみるとやっぱりわかってない

絵描きが描ける範囲っていうのは素人さんが思うよりずっと狭い

 

一番なんだかなーと困るのは「絵が上手くなりたい」って言うオタク学生さん

よく言われるようにラフ描きなんかを見せられて感想を聞かれても困るけど

逆にきっちり丁寧に仕上げてあるのを持ってこられても「もう良いんじゃないの?」ってなる

絵描きとしての才能なんか一言で言ってしまえば

「完成作品と認められる絵を描き」かつ「その絵がウケる」かどうかでしかない

完成作品と到底認められないほど雑なものでは駄目だけど

逆にそのラインを越えたらもう上手い下手よりもウケるかどうか

絵の上手い下手がきっちり言えるのって

選考基準の決まってるアカデミック美術世界とか

その前段階としての美術教育だけ

まあその過程を経てる人はそつなく技術が鍛えられてる傾向はあるけど

普通多くの絵描きは上手い下手よりももっと複雑で水物な世界で戦ってる

ここで言う「絵」というのを完全に漫画ひとつに絞っても

一体どういう世界観で勝負したいのかもわからなければ意味がないし

逆に世界観がはっきりしてたら「その世界ウケるように頑張ってね」という他ない

「上手い」かどうかなんて同じ世界観の別の絵とでも比較しないと

一般評価することなんか出来ない

そしてもちろん、じゃあそこでその道の大家比較して下手とか言っても…ね

 

「絵が上手い」ということを

漠然とした才能とか第六感でも働くようになると考えている人にはいつも考えさせられる

自分の描きたい絵を自分の描きたいクオリティで仕上げることに必要なのは

才能とかそういうものではない

完成形という目的地目指してただ歩く

当たり前の手段の結果でしかない

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