という話題が今回も起きた。そう思う。自分も英語がペラペラで世界で通用する技能があればな〜と思うぐらいだ。
それと同時に思った。だから日本はいつまでも変わんないんだろうね。
何かが変わるには血が必要だ。
市民権も参政権も争って手に入った。女性の権利だってそうで、私達が逃げたいと思っている先の国では、私達の知らない誰かが、そこにずっと住んでいる人の血の繋がった誰か達が、たくさんの苦しみを背負いながら戦って、涙して、深く傷付いて、その人生も楽しみも犠牲にして、権利を手に入れた。おとぎ話の理想郷のような素敵な世界も、元々そうあったわけではない。
そして、すでに血が流れて乾いたところに行けば、自分は労せずしてその成果を享受できる。それはすごく楽だ。私達は、日本よりも様々な平等に溢れる世界で、趣味だとか、恋だとか、仕事だとか、そういうものに慌ただしくしながら、本質はほとんど日本での生活と変わらない日常を過ごす。そんな夢を見るから、海外移住に憧れる。
だって楽に生きたい。なんで自分が苦しまなきゃいけないの?楽しいこともやりたいことも全部投げ出して、辛いことたくさんあるのに、どうして「今の自分が若いうちに得られる可能性が無いかもしれない」「私以外の誰かたちのための」権利を手に入れるために地獄を見なきゃいけないの?そんなこと「私」はしたくない。「誰か」がやってよ。「私以外」の誰かが。でも「権利」だけは欲しいな。
なんて、みんな思ってたんだろうな。
すごく分かるよ。私もそう思う。辛いことするぐらいなら好きなことしていたい。
誰かに嫌な役割を押し付けあってきて、「いつか王子様が」なんて夢見るお姫様みたいに「いつか革命者が」なんて思いながらみんな生きてきた。だから、ほとんど変わらずに現代まできて、「あれ?この国はなんでこんなに遅れているの?」と首を傾げる。
出る杭になりたくないから自分からは動きたくないけど、誰かが一歩踏み出すのを待っている。そうやって、全然変わらないなあ、なんて文句を言いながら、変えるつもりは毛頭ない。それなら海外移住した方が楽だろうし。そういう風にみんな思ってきて、今を生きる私達も思っている。
だからしばらくは、あと10数年は何も変わらないんだろうなあ。
なんてことを、ぼんやりとした絶望感をもって、寝る前の布団の中で思った。
だけど。この国はもうダメだ、という話になったとき、文句を言い合って嘆き合うだけじゃなく、「良くなるために何をすべきだろう」とみんなで考えるようになれば、少しは生きやすくなるとも思う。
私は何が出来るかな。何なら出来るかな。起きてからずっとそんなことを考えている。