昔好きだったといってもおそらく今も気になっているのだろう。
好きになったのは小学5年の時、今から20年も前だ。自分でもなぜここまで引きずるのかわからないくらい昔の話だ。
何でか付き合ってるみたいな噂がたてられたりしたがそうなることを望んでもそんな事実はなかったという思い出がある。
クラス役員を一緒にやっていたりで割と付き合いは多いけどそういうのを冷やかされるような空気があったので男女で遊ぶようなことはあまりなかった。
好きになる前にその人の家でみんなで遊ぼうという話があったのだが男子が自分以外全員ばっくれて非常に気まずい感じになったことがあるくらいか。
その気持ちを伝えることができていればよかったのだろうけど、それができずに卒業して中学は別々。
その後別の人を好きになったものの深い関係を気づくことなく終わり、ある機会に再開することになる。
といっても特に話したりすることもなく終わったのだけれど。
向こう側から声をかけてきた。その声に反応して見たらとてつもなくきれいな女性になっていた。
好きという感情抜きにしても今までで見た女性の中で一番きれいな人だっただろうと思うくらい。
少し話をして別の人に声をかけ始めたのでその場を後にすることに。正直とんでもないヘタレだなと。
連絡先を聞くくらいできていれば結果はどうあれ悩むことはなかっただろう。
それからしばらくして、ほとんど諦めている所に夢に見ることになる。
もはや顔も思い出せないくらいなのに、「昔好きだった女性」という属性だけがついて出てくるのだ。
この夢を見た時はとても幸せなのだが夢であるという事実がとても辛い。
さらにしばらくしてからもたまにそういう夢を見たのだが何度か見るうちに夢という曖昧なものの中で
「好きな女性」というものが昔好きだったその人と強く紐づいているだけなのだろうと認識し始めた。
それからは「好きな女性」という概念として存在するようなものとなっていた。
とはいえ今でももしばったり会えたらいいなとか考えたりするのだけれど。
そして今日、また夢をみた。今回は明確に「昔好きだった女性」という属性をつけて。
なぜか友達と遊ぶ中でしれっと告白して付き合うことになっているのである。辛い。
その女性のことを思い出すたびに、自分がこれから女性と付き合うことなく生涯独り身として暮らしていくのだろうと考える。
もはや呪いであるとすら考えている。忘れたくとも今も「好きな女性」というのはその人のことを指すのだから。
後悔するのは小学卒業までにケリをつけなかったこと。成人式で再会した時にもケリをつけられなかったこと。
ケリをつけていれば何か変わっていただろうなと。生涯独り身なのは変わらなかったとしても。