知り合って9年、付き合い始めて8年、結婚して6年たちました。
私と近い価値観を持っているから話が合うし、興味があることも近く、何を一緒にしてもいつもとても楽しいと感じます。私があなたの好きなところは、私と近い価値観を持っていることでもあると同時に、あなたの私と違うところでもあって、私一人で考え込んでしまっているときも、あなたと話をするといつも目の前が明るくなります。
あなたは自分の興味のある目的に向けて頑張っています。出会ったときからあなたのそんな姿を見てきて、あなたに憧れのような気持ちも抱いています。
最近、私は仕事の方で自分の能力の足りなさ、仕事の出来なさからひどい自己嫌悪に陥っています。死んでしまいたいとか、小さくなって消えてしまいたい、そんなことを考えることが週に5日ほどあります。今までの人生の中でこんなことは初めてです。うつ状態であることは、朝、ベッドで叫んで自分を奮い立たせないと出社できないことからも明らかです。でも、今もしぶとく生きているのは、あなたがいるからです。
こんなにつらい気持ちになったことは初めてですが、どんなに辛い気持ちになっても、あなたのことを思うと生きながらえていられることに少し驚いてもいます。
私は1年の半分は仕事で出張しています。あなたはここ数年は海外で働いています。
結婚してから二人で一緒に生活できたのは、お互いの短い帰国の期間を合計すると1年ほどではないでしょうか。短い期間ですが、本当にとても楽しい時間でした。
私が今やっている仕事は、私が中学生の頃からなんとなく憧れていた仕事で、しかも社会に貢献できるというありがたい立場にいます。出張は長く生活環境も厳しいですが、自分の技能を必要としている人たちに提供し感謝され、十分なお金をいただくという恵まれた環境にいます。でも最近私は、私自身の幸せ、個人の幸せをもっと追求したいと考えるようになりました。もっとあなたと一緒にいたい。いつか二人は死んでしまいます。この一生の私にとっての一番をあなたにしたい。あなたも私と一緒に暮らしたいと言ってくれました。
私に足りないものは覚悟です。今の仕事を捨て、なりふり構わずあなたの側に行くことができないのは、外から見ると順風満帆に見られているこの仕事を手放し、手探りの状態になることで、私がどう見られるのかを怖れているからかもしれません。
でも、この手紙を書きながら、本当に恐れるべきは、あなたと暮らすために動き始めなかったことを後悔することだと気が付きました。これからは全てにおいて、あなたと一緒にいるという私の個人的な幸せを最優先します。