僕はキモオタだ。
アニメが好きでゲームが好きで、大学生になってバイクにも手を出して、あれだけじいちゃんにやめろと言っていたタバコも吸い出した。
こんなことでうまくいくわけもなく、悪いやつに絡め取られ、金も心もボロボロにされ休学した。
全く違う環境でビシバシされた、弱い自分を見つけ少しは上手くやって行く術を学んだと思った。
学校に戻ったら彼女でも作れば良いとその人は言った。何言ってるんですか、これからそんな余裕全くありませんよ、いた事もないし。多分、その時、ほんとうに僕はそう思ってたんだろう。
俺は大学に帰ってきた。やりたい勉強を無我夢中でやった。気づいたらアニメもゲームも関わらなくなっていたし、バイクはまた乗り始めてしまったけれど、月月火水木金金やれるだけのことはやって外部の大学院も決めた。
本当に俺は俺にはそれにしか価値が無いと思ってやっていた。学年がひとつ下のやつに囲まれながら、通学片道二時間半でも、自尊心がボロボロになってもやった、就職したほんとの同期のやつに飯に誘われるのも辛かった。
当然周りの同期の子は見てすらいなかった、俺は彼ら以下だと思っていたから。
何であの子は俺に声を掛けたんだ、飲み会で潰れてる俺に水を渡したんだ、なんでその後も俺にずっと声を掛けてきたんだ、何で俺の事を尊敬してますなんて言ったんだ…
僕は恋愛する価値もないゴミのキモオタだとずっと思ってきた、自信がなかったんだ、自分に。
結局、目の前のことに必死になってるふりをして最後はずっと彼女のことを見ていた。
最後の発表が終わって今まで浮いたことをしたことなんてなかった俺は勇気を出してデートに誘った、とんとんで二回も遊べた、とても幸せだった。卒業式の後にだって会う約束もできた、プランだって二人で観光雑誌を眺めて決めた。
自分だって幸せになって良いんじゃないか、ゲーセンでガンダムやってた頃がなんてクソだったんだと。
こんなに面白いものだったかな、かなり思い出してきたぞ、今度はもっと話せそうだ。そう言えばドリフターズもアニメがやってたのだ、これを機に見てしまうか…