主人公である珠は哲学科のM2で,彼氏と同棲しており,冒頭から濡れ場がある.
珠は修士論文のネタとして人はなぜ生きるのかについて研究する.
当初予定していた手法は100人にアンケートをとるというものだったが,指導教員が一人を意味のない尾行してはどうかと提案し,珠はそれを実行する.
もはや意味不明であるが,珠は対象Aを尾行するためにタクシー乗ったり,高そうなイタメシ屋でカルパッチョを食べてとワイン飲んでたりしていた.
タクシーに乗る場面では上がっていくメーターと野口英世が2枚しか入っていない財布を交互に見ており,カネに余裕はないようだった.
彼女は修羅場に遭遇しつつも,夏から冬にかけて修士論文を完成させる.指導教官はそれをかなり評価していた.
珠の彼氏は,意味がわからないという評価をしていた.私もまったくの同意見である.
桜が満開になるころ,珠は引っ越した.そのとき彼女の手には修士論文があった.
私は情報工学科のM2で,一人暮らしをしており,外出先は研究室とイオンが大半である.
最初の2本は指導教官に与えられたネタで書いた.無事に国際会議にアクセプトされ,一週間ずつアメリカとカナダにいけた.
3本目は自分でネタを考えて,自分だけで書き上げた.今週末が締め切りの国際会議に投稿する予定である.
修士論文の締切は2月の頭にあり,3本の論文をつなげて,はじめにとおわりにと謝辞を書いて終わった.