それなのに一部の人間は、必要のない世界まで覗き込もうとして、自らの境遇と比べては意味もなく自己肯定感を危機にさらしてしまう。
理屈ではわかっていても、自分よりも豊かな生活を送る人間がいると、それを妬んでしまうのが人間というものだ。
狭い世界であれば十分満たされていたのに、突然視界がひらけたと同時に危機にさらされてしまうことがある。
意味が無いことだとわかっていながら、ハリウッドセレブの生活を自分の生活と比較しては、自らの境遇に嘆いてしまうのだ。
勝ち組になれるのなんてほんの一握りなこの世界で、このことは本当にやばい。
自己肯定感に飢えた人間がどんな行動をし始めるかなんてちょっと考えればわかるはずだ。
トランプが票を得ることができたのは、正義や正しさを訴える大統領を選ぶよりも、彼を選んだほうが自己肯定感の危機から逃れられそうだと思えたからに他ならない。
世界の富より、目の前にある自分たちの富を優先したいと思ったから、彼に票を入れたのだ。
そもそもテロリストの行動原理が自己肯定感の危機である以上、このことは更に彼らのテロリズムを刺激することになる。
それだけでなく、第二第三のテロリズムが生み出されるきっかけにもなりかねない。
しかし、そのことに屈して首相を非難したり、トランプの考えを肯定するようであればまさにテロリストの思う壺である。
まずはみんなでSNSを閉じよう。
自らの自己肯定感をいたずらに満たすことを止めよう。
あなたが満たした飢えは、それ以上に多くの飢えをもたらしている。
言葉の壁なんてもう無いに等しい世の中で、人間の感性だけが原始的なままに取り残されてしまっている。
そのことが理解できないのであれば、終末時計はさらに針を進めることになるだろう。
残された時間はそう多くない。
いやもうこの文章自体が自己肯定欲にまみれてるでしょ