2016-09-17

豊洲新市場、なぜ基準値以下のヒ素問題なのか

豊洲新市場建屋地下の空洞にたまった水を、共産都議団が持ち帰り分析したところ、基準値のおよそ4割の濃度のヒ素が検出された

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160916/k10010689611000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

このヒ素が溶け込んだ水自体はそれほど大きな問題ではない。

基準値は非常に厳しいもので、数千万円の機器を使っても、この次の次の桁には測定限界になるレベルなのだ

ヒ素自体ほとんどどこの土壌にも含まれるようなありふれたものなので、そこらの井戸水を調べてもこれくらいの濃度は簡単にでてくる。

https://www.gsj.jp/researches/topics/geochemmap.html

https://www.gsj.jp/researches/topics/images/mapAs.gif

そのようなわけで、そんな土壌に浸透する地下水にはヒ素が含まれ場合比較的多い

ではなぜ驚くべきでないヒ素問題になるのか。それは、たまり水が「上から」ではなく「下から」来たことを示すからである

上記のようにヒ素は、多くの地下水一般的に含まれている。それが検出されるということは、この水は地下水である可能性が非常に高いのだ。

コンクリートヒ素を含まないため、都が説明したように「上から」水がきた場合にはヒ素は検出されてはならないのだ。

一方で、たまり水はアルカリ性である。後述するがこれはコンクリートが溶け出たもので、水が「上から」来た事を示している。

どの程度「上から」きたかはわからないが、pH試験紙の色から見て地下水に対して1/1000ということはないだろう。

しかし「上から」きた分によって、地下水希釈されたことになり、場合によっては、砕石層の下の「土壌」が「土壌」の環境基準違反するレベルの濃度である可能性が出てくる。

最初問題になった「水質」の基準と、「土壌」の基準単位は一緒でも測定方法は異なるので比べられないから注意が必要

水質環境基準

http://www.env.go.jp/water/impure/haisui.html

土壌環境基準

http://www.env.go.jp/kijun/dt1.html

さら問題なのが、溜まり水が強アルカリ性である点だ。このpHの高さは、コンクリートに含まれ石灰などの影響によるもので、状況からして特段驚くべきものでない。

運が悪いのは地下の水に含まれるのがヒ素であるところだ。土壌中では、ヒ素は他の物質と難溶性の化合物形成し、容易に溶出しない。しかし、このヒ素化合物は強アルカリ性では、非常に用意に溶出してしまうのだ

http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2002/57-7/57-7-0293.pdf

http://repository.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/dspace/bitstream/2261/34945/1/sk028003007.pdf

まりコンクリート水によって溜まり水がアルカリ性になり、アルカリ性のたまり水が地下に浸透することで、土壌のヒ素溶出を誘発していることが想像できるのである

これらをまとめると、ヒ素が含まれる水が空洞にたまる過程をこのように想像できる。

雨が降れば、地下水面が上昇しベンゼン汚染された土壌を通過した水がこの空洞に流れ込む。「上から」は雨水コンクリートを通過して流れ込み、たまり水を強アルカリ性にする。

雨が上がれば、地下水面が低下し、強アルカリ性の水が地下の土壌に染み込む。この強アルカリ性の水にはヒ素が溶け出す。

ここで雨が降り地下水面が上がればヒ素汚染水は空洞に流れ込む・・・・・・

今年の夏は雨が多かったことも大きな事実だ。

ここまで書いたが結論月並み意見だ。

ベンゼン汚染でも、根本的な問題となるのは「空洞」ではなく、空洞の下の「難透水層が機能していないこと」だ。

ヒ素検出はそのことをあからさまに示す、重大な分析結果なのだ

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