なぜ?がつくのかというと、彼らの思想がネット経由かどうかは知らないからだ。
ただ発言の内容はいわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる人たちに近いので便宜上そう記す。
取り組みかたも采配も、いたって理性的で信頼がおける。
「今日は野球みたいんで定時で上がりたいんですよ」というので、
ほんの雑談のつもりで「野球か、今日どこと試合でしたっけ?」と答えた。
「韓国です。韓国にだけは絶対負けてほしくない、韓国だけは嫌だ…」
「いや、そういうことじゃなく、俺は韓国嫌いなんです。
誰がなんと言おうと嫌いですね」
私は返事に困った。同じ島の人たちも無言になった。
私の感覚からいうと、先輩の発言は職場でのちょっとした雑談にふさわしくない。
「国がまるごと嫌いだ」なんて理性的な判断から出る言葉ではないし、
仮に感情面でどうしても押さえられないとしても、
それは恥じるべき、おいそれと口に出してはならない類いの感情だと思う。
そんなナショナリズムを全力でぶつけてこられても困るのだ。
あー、この人、ネトウヨなんだな…とその時知った。
仕事上の信頼感はべつに変わらないが、
なんだか、知りたくもない恥部を見せられたようなモヤモヤした気持ちが残った。
私は同じ案件にかかわっていないが、
どうやらできそうな方で、前述の先輩社員ともウマが合うようだ。
みんなで「怖いですね」「実家が日本海側で」「うわー心配ですよね」
「あれって一回の打ち上げで何億もかかるんでしょう」みたいな雑談をしていたところ、
その派遣社員氏が
「どうせなら韓国に打ち込めばいいのに」とポツンと言った。
「そうですよね、どうせなら戦争して両方つぶれたらいい」
云々。
我々は黙った。
ネトウヨは40~50代が多いとは聞いていた。
先輩社員はともかく、派遣社員氏は我々のことをよく知らないはずだが
内心で嫌いなことは仕方がない。私が口を出す範囲にない。
しかし、それを大っぴらに口にしていいと思う神経にはついてゆけない。