私には何もない。
心許せて互いを高め合えるような相手はいない。
招く相手がいなければ家の中を日々掃除して
勧め合える相手がいないから、次第に興味がうすれていった。
私はどんどん無趣味で無気力でただ苛々とした感情を蓄えるだけの
本当に自分は空っぽでつまらない人間だったのだなと愕然とする。
寂しいのならばこれを打破する手段は幾らかあるが、
何かに縋りたいが、愛せるものはない。
かと言って死のうとも思わない。
吐き出せば楽になれるかもと期待する気持ちもあった。
空っぽすぎて笑う気にもなれない。
猜疑心の強い性格と、気の置けない友人を作るにはとりすぎた年で
きっと今後はもう打算で結婚する以外に身近な人間を作る事は出来ないだろう。
心に空いた穴を塞ぐ術はもうない。
過ぎたるは及ばざるが如し。
何故あの時私は退かなかったのだろう。
心に合わせて、今の容姿も遠くない内に醜く衰えていくだろう。
遅かれ早かれ友人など一人もいなくなることは予想してはいたが、
あの人に付いていかなければ縁の寿命は延びていただろう。
そして今安易に死を選ぼうとしないのもあの人がいるからだろう。
死にたいと思うより、このまま消えたいと思う。
メッキは全て剥がれた。
そこには矮小で卑屈でプライドだけは高い空っぽな自分が残っただけだ。
もう嫌だ。