2015-04-12

電王戦Final 第5局 記者会見 - if -

色んな所で非難轟々な電王戦第5局の記者会見だけど、俺はすごくいいと思ったよ。

現代の侍達が真剣勝負武士の情けのせめぎあいで、ギスギス、ギスギスしちゃって、

ああきっと、日本の歴史分岐点でも、似たようなギスギス感が漂ってたんだろうなぁって思った。

けど、その良さがいまいち伝わりきれてない。

から口下手な巨瀬君に変わって、どんな会見だったらみんなにあの良さが伝わるのか、俺が勝手にifバージョンを作っちゃうよ!

司会「本日の対局ですが、21手までて先手番の阿久津八段の勝ちとなりました。

 かなり早い段階での投了となったかと思いますが、AWAKE開発者の巨瀬さんに今回の対局のご感想をお願いします」

巨瀬「そうですね……

 正直まだ気持ちの整理がついていない状況です。

 自分プロ棋士を目指して、挫折した人間ですので……

 (5秒ほどの間)

 21手での投了というのは、早すぎるという意見もあるかとは思いますが、

 あの時点でかなり大きな駒損で、あのまま指し続けても、もはや勝ちは望めないという状況で、

 えー……そういう判断でした。

 この手筋は、100万円チャレンジアマチュアの方が指して、ハメられた形で、

 もう知られたハメ手で……

 (涙ぐむ)

 プロの方がそのような将棋を指されるとは……うっ……

 (鼻をすする)

 残念です。

 っ、はー……

 (上を見上げ、涙がこぼれないようにする)

 プロ棋士への憧れは、どうなるのか……

 ソフトから良い手を引き出して、自分の棋力を上げるのではなく、

 ソフトの一番悪い面を引き出して勝ったとして、それが将棋面白さに、何の貢献をするのか。

 このような姿勢では、プロ棋士存在理由を脅かしているのは、プロ棋士自身なのではないか……

 (10秒ほどの間)

 えー……以上です」

司会「阿久津八段にもご感想をお願いします」

阿久津八段「阿久津です。

 本局では、えー、ソフト特有の悪手を誘う、含みを持たせる形の駒組みをしたわけですが、

 えー、そうならない変化も多く、勝利のために最善をつくすという意味で、

 このような作戦を選択しました」

巨瀬「(司会の進行を無視して)

 ま、負けない……だけでなく、

 かっ……勝って欲しかっ……

 うぐっ、うぐっ……

 うわああああああーーー!!!

 (野々村並みの号泣)」

阿久津八段「(涙ぐみながら)

 そ、それでも、それでもプロは、勝たなきゃ……

 プロなら……

 いや……

 (感情が高ぶって関西弁になる)

 負けとうない。

 ワイは、絶対に負けとうないんや!

 たとい、機械相手でも!

 ワイが、ワイが負けとうなかったんや……

 堪忍やで……ホンマ……うっ、くっ……」

勝手キャラ改変して、俺の脳内ではあの会見はこんな風に認識されている。

いやー人間ドラマっていいね!

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