2014-01-13

適齢期性比は、長い人類歴史では、女性数が多数だった。

今日成人式である

おそらく、新成人の数は、男性何万人、女性何万人、という報道がなされるだろう。

その際ぜひ注目して欲しいのだが、おそらく男性成人数の方が、女性成人数よりも5~6%は多いはずである

まり知られてないが、実は新生児の段階で、男児の出生数は、女児出生数より、5~6%は多い。(日本における数字)

そしてそのまま、成人時点、或は適齢期時点でも、男性数は女性数より5~6%は多い。

平たく言えば、男性のうち数%は「男余り」なのである

この男女の同世代における個体数比を、人口学的には「性比」という。

女性の方が長生きなので、年齢を重ねるにつれ、性比は男性過剰→女性過剰へシフトし、日本全年齢平均では、多少女性過剰である

生殖的には、「適齢期における男女性比」が問題になる。

人口置換水準出生率が「2.07」とされ、「2.00」じゃない理由は、男性が過剰だから、2.00では男性過剰分が

置換されないからである

性比の話だと、中国韓国インドベトナムの極端な男性過剰問題があって、それは相当深刻なテーマなんだが、今回はその話は割愛する。

自分は長らく「適齢期性比はどの社会でも男性過剰である」と信じていたが、先日1970年の国勢調査人口を見て、目を疑った。

その時点の20代後半の性比は、実は女性のほうが過剰だった。

その時点で20代後半というのは、1940~1945生まれ。

おそらく、乳幼児期に大戦等で栄養状態が悪く、或は感染病の影響などで、女児より男児の方が「自然淘汰」された

結果と思われる。

(徴兵される危険性がある男児を間引いた、という説も考えられなくもないが、おそらくそれはないだろう)

しかしよく考えたら、人類の長い歴史の中では、今のような「飽食」「感染症心配がない」時代の方が、

極めて珍しいのである

人類は常に飢えと感染症の脅威にさらされてきた。

その過程で、多くの乳幼児生殖適齢期になる前に死亡した。(特に男児が死亡)

となると、長い人類歴史の中で、生殖適齢期性比が男性過剰な時代はごく一部でしかなく、男女同数、

ないし女性過剰の時代の方がメジャーだった、と言えるのではないか?

逆に言えば、人類という生物種は、乳幼児における男児死亡率の高さを前提として、

予め新生児時点で、5~6%は男児過剰で生まれてくるように「進化」してきたのではないか?

今の「男児新生児女児より5~6%多く生まれてくる」のは、長い人類生物種としての進化獲得の名残である

先日「男児女児より多数生まれるのは、ヒトの生物種としてのプログラムミスバグである」という趣旨の本の

書評が載っていたが、人類の飢え・感染症との戦いの歴史を見れば、5~6%ほど男児が多く出生する方が、

しろ最適化された性比」ではないか、という気がする。

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