政府は「株式市場に良質な中長期運用個人投資家が集ってくれる」ことを期待している。
「良質な個人投資家が、健全な資本市場を支えるという、教科書に描いたような理想的世界」
2.コンマ数秒までは行かないが、日々の売買で短期での鞘抜きを狙うFX的な個人投資家
しか存在せず、「教科書のような個人優良投資家」は、育ちようがない。
「健全な個人投資家」の育成のために、政府は「個人への投資教育が重要」と
トンチンカンな政策を掲げているが、多分「半官半民で個人への投資広報組織を立ち上げ、
余談は兎も角として、政府が本気で「個人からの中長期スパンの資本投資を増やしたい」のなら、
「毎日、毎秒、コンマ数秒のインターバルで取引する」という株式取引の
「前提、常識」を疑ってみてはどうか?
例えば、
「毎年1回、7月1日にだけしか取引できない、特殊な上場株式」というのを設定する。
投資家は、7月2日から翌年6月30日までの間、じっくりと当該企業の業績状況、経営者の考え方、
技術力や新規投資を判断し、更に6月下旬に開かれる株主総会も投資判断材料にする。
その上で、7月1日の1日だけ「売り」「買い」の注文を出す。
別の言い方をすれば、
「マネタライズ、換金化のチャンスを、1年間の全平日(250日近く)から、1年間に1日だけ」と
敢えて制限する。
換金化のチャンスを全平日から「1年に1日だけ」と制限することで、自ずから短期投資(投機)が排除され、
中長期投資が生き残ることになる。
「取引チャンスを増やす、より高速取引に対応するように進化することが、全ての投資家にとって『絶対善』である」
という思い込みに囚われているように見える。
「取引チャンスを減らす、取引タイミングを制限する方が、パラドックス的であるが、
個人投資家の利益になる場合もある」と思うのだが、オカシな考えだろうか?
希望する企業だけが、「1年1回取引の特殊市場」への上場市場替えをすればいい。
また、叩き台として「1年に1回」という案を出したが、半年に1回でも四半期に1回でも毎月1回でもいい。
ヒント:NISA
原則的にロングしかやらない、リーマン貧乏投資家だけど そんなコトされたら、投資なんてしない。 売りたいときに売れないのは、ロングの人間にとっても不利益でしか無い。