2012-11-05

星の王子様を読んだ感想

「本当に大切なものは目には見えない。」

あぁ、この一言が聞きたかった。

誰かの口から聞きたかった。

心の底からそう思った。

では何故いままで、普段の生活からこの一言が誰も口にしなかったんだろう。

はいからこの言葉を欲し始めたんだろう。

思い返せば、学生生活の終わりのころ、大学卒業する直前までいたボランティアサークルではその一言のような言葉がいつも聞けたかもしれない。いや、聞けたというより、誰が言わなくてもそれを感じる事が出来たというほうが正確かもしれない。

社会に出てからは?

会社では聞けなかったな。

社会人は、もっと現実的だ。

社会人が気にしていることは、もっと別の事。

仕事がうまくいくか行かないか仕事で下手をすることで自分生活不自由が生じるか、難しい仕事をすることで来る反動、つまりストレスを少しでも取り除くために、仕事とは別の場所でなにか思いっき楽しい事をしようという欲求、それくらいしか、関心が無かったのではないか

しかも、会社と家庭は別のコミュニティであるが故の別の問題もある。

旦那の通う会社をうざったいと思う家庭の人もいるだろう。

もっと沢山仕事をさせたいのに、家庭があるから任せられないと、会社は思っている事がある。

例えば、女の社員子供が出来てしまった時や、社員の誰かが休みを取りたいと言ってきたときだ。

「本当に大切なものは目に見えない」

そうなんだろうと思うし、そう思う人は僕以外にも沢山いるはずだ。

言葉意味を理解していない人は、たぶん凄く少ない。

でもなんでこの言葉を実際の生活、つまり自分人生に活かすことが出来る人が少ないんだろう。

活かすことが出来ていない人の例は、この物語の前半、王子様が地球にたどりつく途中の星の人によって表現

れていた。

物語を通して客観的にみて、この人たちはおかしな人たちだなぁと思った。

人の心が通ってない、優しさを持ち合わせていない人たちだたぁと思った。

主観的にみても、おかしいと思った。

自分の周りにいる人や、自分自身と照らし合わせてみると楽しく読めた。

それと同時に、自分のいま抱えている問題も浮き彫りになった。

自分の抱えている問題は、何が問題なのかは分かっていたし、どうやって解決するか、どうやってその問題から遠ざかることができるかは知っていた。でも、その解決には時間がかかることも知っていた。

でも、そんな僕に王子はいう。

おかしくなんてないよ。」

その優しい一言をかけてくれる人が嬉しかった。

それと同時に、そのような言葉をかけてくれる人が自分の周りにはいないのではないか、と思ってしまった。

でも、よく考えてみたら、自分の横にいる人がいつも言ってくれていた事に、この本を読んだ後に気付いた。

自分は分かってる」と思っていたけど、たぶん何も分かっていなかった、というか感じる事が出来ていなかったのだろう。

本当はいたんだ、大切なバラは僕のすぐそばにいるという事を。

大人になる事は大変なことだ。

弱音を吐く事も許されない、逃げる事も許されない、泣く事も、助けを求める事も許されない。

これって正しい事なんだっけ?

これが僕たちの描いていた正しい大人のありかたなんだっけ?

僕一人が考えてもたぶん何も変わらないだろう。

でも、僕の隣にいる人は違う。

そんな僕の苦悩を少しでも分かってくれる人であるはずだ。

それの事を忘れてはいけない。

感謝しなくてはいけない。

大切なものを目で見ようとせず、感じる心を失わないように、これからも生きよう。

星の王子さま

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