2011-06-26

BIは勘定の問題ではなく、感情の問題になっている。

最近日銀の批判をよく見かける。

要するに「何でリフレやんねーんだ、インタゲやれクソが」というような論調なんだが。

ベーシックインカム議論の盛り上がりも間違いなくその延長にあると、先日確信した。

極めて重要なことなんだが、インフレーション・ターゲティング

特に「ちょっとやそっとじゃ動かないほど飽和した市場オラオララッシュ現金を叩き込めばどうなるのか」

これは、未だ人類が体験したことのない話であって、ぶっちゃけ何が起こるかわかんないのだ。

中央銀行がそんな施策を取れるわけもなく、「ムリに決まってるだろ」で結論が出る話だ。

一通り何もかもを試し続けて(実際、日銀は色々やっている)その結果として、死ぬか生きるかの最終手段とするなら

話はわからないでもない。しかし、現在の状況で市場への資金供給手段としてのベーシックインカムは、極めて不適当だ。

ベーシックインカム、というものインフレの中で絶対に切り下げられない。

通貨価値が落ちるほど、供給は増やしていかなきゃならない。ベーシックインカムを払う→インフレ→額面増やす→オワタ

になる可能性が明確に見える施策を、中央銀行がそう簡単に選べるわけがない。

また、リフレの議論にしても「じゃあインフレさせろよ」と言われても、総量緩和も失敗に終わった現在

市場を「ゆるやかなインフレ」に持ち込む方法論って、一つでもあるんだろうか。

こんなことは、人並みの脳があればわかることだ。

リフレ派の議論が無価値とは言わないが、「やれること全部やって死ぬか生きるかになってから」が

議論の終着点であるのは間違いない。リスクヘッジが不可能で、かつ方法論も存在しないからだ。

BI的な、「マーケットの末端にマネーを飽和させる」策は、中央銀行としては絶対にやりようがない。

どちらかといえば、それは政府仕事なのだ。公共投資の新たな形、適切なる場所に適切なる流動性供給する

これこそが、中央銀行ではなく政府の果たすべき役割だ。

でも、日銀はそれなりに必死こいてるし、現在のところリフレ派さんたちのロジックを支える根拠は

ほとんど無いも同然だ。では、何故それがはびこっているか

陰謀論だ。

悪の日銀デフレを起こさせている、日銀政府と結託して悪企みをしている。

これが、論理の背後にある。しかし、中央銀行というのはその成り立ちとして通貨の信認を守る、通貨の番人だ。

そんなアクロバットが出来るはずがない。その彼らですら、一定のインフレを認めそこへ誘導するという

非常に過激な施策を行っている。この状況下でベーシックインカム、なんてキチガイ沙汰だ。

何度でも言うとおり、マーケットの末端に限界を超えた流動性供給した場合、どのような結果になるか。

どの程度の供給が、どのような結果を生み出すか。この世の誰にもわからない。

こんな当たり前の結論が、何故かかき消されている。

市場カタストロフィを「起こしえない」、インフレーション・ターゲティングの方法論を

一つでもご存知の方がいたら教えていただきたい。現状、国民全ての経済生活を秤にかけて、

尚足りる方法論が、一つでも存在し得るのか?

  • 中央銀行がそんな施策を取れるわけもなく、「ムリに決まってるだろ」で結論が出る話だ。 「何が起こっても責任は全て俺が被る。だからやってくれ。」という政治家が居ないからね...

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