この記事は『天気の子』の重要なネタバレを含みません。安心してください。
『天気の子』の主題歌や音楽関係はRADWIMPSというアーティストが担当しています。
映画を見ていない方でも、音楽番組やCMで曲を耳にしたことがあるのでは。
この曲が映画で一番好きと言う方もおられると思います。良い曲ですよね。
「君の大丈夫になりたい~♪」
~♪
……
……?
「君の大丈夫」って、何だ?
体調がすぐれない方はこれ以降の文章を読むのを控えて「大丈夫」を聞きに行ってください。
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この歌詞で注目したいのは、「君を大丈夫にしたいんじゃない。君にとっての大丈夫になりたい。」の一文。
詩的に解釈すると、「君を大丈夫にするのではなく、僕が一緒に居れば大丈夫だと思えるようにしてあげたい」
今回の解釈を分解して考えてみましょう。
①君を大丈夫にしたいんじゃない
②君にとっての大丈夫になりたい
と、こうなります。
この場合、②が成立すると結果的に君は「大丈夫」という状態になります。
すると、①の「大丈夫にしたいんじゃない」に反し矛盾が発生してしまいます。
そうなると、論理が成立していません。
そもそも「君にとっての大丈夫になりたい」=「僕が一緒に居れば大丈夫だと思えるようにしてあげたい」という仮定自体が間違っていることになります。
……?
こうなると、②の「大丈夫」は状態を表すような形容動詞では無くて、名詞の可能性が出てきます。
大丈夫ですか?体調悪くなってませんか?休憩で「大丈夫」を聞きに行っても大丈夫ですよ。
それにしても、この「大丈夫」とはいったい何者なのでしょうか…。映画に登場していましたか?クレジットを見逃したかもしれません。
閑話休題。
つまり、①の「大丈夫」は形容動詞。②の「大丈夫」は名詞ということになります。
君を大丈夫という状態にするのではなく、俺自身が大丈夫にな、僕が「大丈夫」という存在になるということですね。
ここで辞書を引いてみましょう。
夫は「おっと」のことではなく「男性」を表し、中国では成人男性を「丈夫」と言い、特に立派な男性を「大丈夫」と言った。
日本に「大丈夫」の語が伝わった時には「立派な男子」の意味であったが、そこから「非常に強い」「非常にしっかりしている」「非常に健康である」といった意味へ派生し、(以下略)
「大丈夫」の語源にはそもそも「立派な男子」という名詞的な意味があったことが分かります。
するとこの歌詞には、その名詞的な要素が取り入れられて用いられているのかもしれません。
これをふまえて歌詞を振り返ると、「あなたにとって頼もしい立派な男子になりたい」と訳せます。
君を“大丈夫”には出来ないけど、僕が君にとっての“大丈夫”になるよ。
まるで背伸びした告白みたいですね。この僕はいったい誰なんでしょうかね。
「一緒に居れば大丈夫だと思える存在になりたい」というのも、間違いではないかもしれません。
そんな時がくる度に、大切な人と一緒に居てあげることは出来ないでしょう。
たとえ一緒に居ても、大丈夫にしてあげられない時もあるでしょう。
僕たちに出来るのは、立派な人になること。
大切な人が辛くなった時に、頼れる人間になること。
歌詞をフルで聞ける日が楽しみですね。
君の名はを見てRADWIMPSファンになった方は申し訳ないのですが 鮮烈にデビューした当時からの彼らの曲や周囲の反応、そしてここに至るまでを考えてからもう一度お越しください。 簡単...