はてなキーワード: フジスタッフとは
派遣会社から「増田さんなら正社員の仕事ありますよ」「この仕事は正社員になれるチャンスがありますよ」みたいな言い方をされると非常に萎える。リップサービス程度に担いでくれるならともかく、具体的なオファーとなるとかなり面食らう。転職エージェントとしてのあんたとこの会社には興味ないし、紹介予定派遣も登録時に希望しないと告げていたはずだ。今の僕が満たされていない立場にあると勝手に決めつけ、勝手に吉報かのように話を持ってこられても困る。この世の中には望んで派遣社員という立場を選んでいる人が居ることを、本職のあなた方が理解していなくてどうすんの。
悪気は無いのだろうから大して腹は立たないけど、なぜ僕が「正社員になれずにあがいている人」に見えたのかが正直なところよくわからない。マスコミの偏った報道のせいだろうか。彼らがそう思うということは、ひょっとして大多数の派遣社員というのは「出来れば将来的には正社員になりたい」と考えているってことだろうか。そんな馬鹿な。僕のように根無し草で、いろんな地域でいろんな国でいろんな職場でいろんなことをやりたいと考えている人間もまた大勢居るはずだ。
僕の今の派遣先企業はとても居心地がよく、職場環境や僕に与えられる権限についても申し分が無い。妊娠している女性が多いのは良い会社である証拠だ。こんな会社に入社できた社員は幸せ者だと心の底から思ってる。だから僕もできれば2年ぐらいはお世話になりたい。だけど、長くて2年。きっちり心にそう決めている。前職があまりに居心地の良い職場で3年も居続けてしまったという失敗をやらかしているからだ。僕には40歳までに実現したいことがあるので、それになるためにはどうしても「今」の職場におけるスキルの蓄積が必要だし、2年後には別のスキルを身に付けるべくまた別の職場を探さなくてはいけない。これの繰り返しだ。そういうときに、派遣会社の存在は魅力的だ。20年前から言われ続けてきたポピュラーな派遣会社の使い方のはずだ。
なのに、派遣社員を勝手に格差社会の被害者かのように決め付け、派遣会社を悪の組織かのように叩いて同情してくれる人たちが確かに居るようだ。その気持ちだけで十分です。大して知りもしないのに勝手なことは言わないでください。せめて(偽装)請負業者と一般派遣会社との区別ぐらいはつけてください。
「派遣社員は安定しないから」「50歳、60歳になったらどうするの?」と聞く人にも言いたい。派遣社員だって自分の人生設計は自分でちゃんと立てています。派遣社員が安定しない身分だから正社員になれ? それ、商店街の八百屋さんや喫茶店のマスターにも言えますか?
「近所にヨーカドーが進出してきたらどうしますか?」「スターバックスが出店したらどうしますか?」なんてお節介を焼きますか?
ドラフト1位指名選手にも「プロで成功している人は一握り。怪我とかしたらおしまいですよ」と言って止めますか?
できやしまい。そんなリスクを気にしていたら商売なんて無理ですよ。勝算を持ち、成功を信じてやるしかないじゃないですか。しかも彼らは労働者としての保護が無い分、僕らよりはるかに「安定しない生活」の危機に晒される可能性が高い。みんな勝負して生きてんの。それに比べて僕は社会保険料だって税金だって全自動で納付する労働者。失業保険だってあるし、教育訓練給付制度にだってあやかれる身分だ。彼らみたいに自立して、ヒリつくほどの危機感を日々抱いているわけではないし、それなりに安心・安定した人生を過ごしています。名ばかり個人事業主や偽装請負の仕組みには加担しないよう心がけているし、やましいことはしちゃいません。放っといてくださいな。
僕だって最初から素晴らしい会社に派遣されていたわけではないし、お給金も目も当てられないような有様でした。今の額も実のところ満足しちゃいません。でも、勤怠管理をきちっとし、タイムシートの提出も遅れず、なるべく残業をしないよう心がける。1年間、こういう当たり前のことを当たり前にこなした結果の賃金交渉が失敗に終わったことは滅多にない。派遣先企業の本決算の時期を把握して賃金交渉していますか。工数管理をされない立場の人は、自分で工数管理表を作っていますか。1年間、自分がこなしてきた業務の一覧を営業に見せていますか。お客さんに評価してもらった仕事のことをちゃんと記録に残していますか。ささいなことでも、「これだけやりました」と胸を張って言えるっていうのはとても重要なこと。
派遣社員だって実績を積んでの営業活動は必要なのですよ。黙ってても時給なんて上がらないし、次の仕事をただボケーっと口を開けて待ってるだけでは食い物にされるだけです。築地で魚の取引をするのだって駆け引きの応酬だ。派遣社員だってやるときゃやりますよ。でも、あとになってから「掴まされた」と恨み事を言うのは実にくだらない。自分の目利きが悪かったのだ。そういう世界であることを認識せずに派遣会社を使っている人、多いんでしょうかね今。
最近、あろうことが当の派遣社員までもが自分のその働き方を否定したり契約先の悪口を言ってたりするようだ。何してんだお前?
いつかはどこかの会社の正社員になるために今、派遣社員として頑張っている、それはいい。だったらまず派遣社員としての自分を卑下せず、まずは自分の目の前の仕事を実直堅実にこなしていきなよ。仮にも自分が選んだ働き方でしょう。「正社員になれたら本気出す」みたいな考え方があるのだとしたら改めた方がいい。そんな人はパートであろうが正社員であろうが事業主であろうが派遣社員であろうが何やってもダメ。正社員になったとしても希望通りの部署に配属されるとは限らない。そういう人はその時も今のポジションを卑下して同じ事を言い出すに違いないのだ。
一度、竹原慎二にボコボコにされればいいと思うよ。
初めて派遣会社を利用しようとする人に、ちゃんとドラスティックでシビアな世界であることを十分に説明せず、「当社は誰でもウェルカム」としている派遣会社の姿勢にも大きな問題がきっとあるのだと思う。考え方を変えれば、昨今の派遣会社叩きの流れというのは派遣会社の自業自得だという気がしないでもない。
契約書に賃金がきっちりと明記されていてサインまでしているのに、経理感覚も無いのに派遣会社の懐事情を探って勝手な理屈をつけ、後になってからゴネるような奴は必ずいるのだ。MonsterTemporaryWorkerというやつだ(今命名した)。個人事業主や会社経営者に最も向いていないタイプがこれで、派遣社員という働き方もどちからと言えばそれらに近いのだからトラブルも起きる。
およそ派遣社員という働き方に最も向いていないタイプの人間に、ホイホイ登録を許して仕事を任せていたのではとても三者ハッピーにはなれないだろう。今の派遣会社は社会人経験の浅い人だって構わず食っちまう状況なのだから、そのあたりは少し再考するべきだ。とはいえ、就職難と呼ばれるこの時代、統計上の失業者数を増やしたくない国にとって、派遣会社の存在は都合が良いのでしょうね。当分この流れは止まらないのかな。でも、派遣会社が事業を縮小するのであれば、派遣会社叩きをしている人にとってもこれは「ネガティブキャンペーンの一歩前進」なのだし(なんせ「派遣会社は不要・諸悪の根源だ」とか言ってるようなのも居るぐらいだし)、前述のような理由を持つ僕とも利害が一致するはずだ。
ところで、派遣会社叩きとしてよく使われるセリフの代表格に「奴らは派遣社員から何十パーセントもピンハネしてボロ儲けしている」という類のものがある。あんなもん妄言もいいとこだ。マージンなんてせいぜい30%程度でしかない。これは厚生労働省の調査ではっきりしている。良心的ではないか。25%以上が経費で消えるのだから、手元に残る額なんてたかが知れてる。世の中にはその30%のマージンが丸々派遣会社の懐に入ると考えている凄い人も居るようなので、そういう輩の存在も派遣会社・派遣社員への評価を貶める要因となっているのだろう。喫茶店の400円のコーヒーが仮に原価20円だとして、だからといって380円が店の儲けになるわけではないということは誰でもわかりそうなものなのに、コトが人材ビジネスの話に及ぶと同じ思考で語れないのは何故だろう。不思議だ。
派遣会社のIR情報や決算時の資料をきちんと読んだことのある人ならわかるだろうが、日本の人材派遣会社はどこも利益率が低い。大手のテンプスタッフやスタッフサービスの利益率はせいぜい2%~5%の範囲。インテリジェンスは6%以上叩き出しているが、あそこは派遣事業以上に高い利益率が見込める転職エージェントの事業も手広くやっているので、そこに助けてもらっているだけだ。人材派遣事業部としての利益率は他社と大差ないだろう。
人材派遣会社の平均利益率を多めに見積もって、仮に5%としてあげよう。たったの5%ですよ。世の中10%以上の利益率を叩き出している大手企業はいっぱいあるのに、5%程度の人材派遣会社が暴利と言われる筋合いなんてどこにも無いはずだ。ただでさえ薄利多売構造で頑張っている中、最近「マージンを開示しろ」という声が上がっているようだ。派遣会社にしてみれば派遣社員というのは商品そのものであって、これは日本橋の電気屋で価格交渉するときに店員に仕切り価格を教えろと言っているようなもんだ。寝言は寝て言ってくれ。僕としてはマージンが派遣社員に開示されるようなことになれば非常に困る。他の多くの真面目な派遣社員の人たちだって困るはずだ。
当り前の話だが、マージンを開示してしまえば、派遣社員側が案件を選ぶにあたって派遣会社を天秤にかけることになるだろう。そうなると「アデコさんは30%と言っていますよ。パソナさんはなぜ35%なんですか」といった交渉が当たり前になってくる。最終的には派遣会社間の価格競争に陥り、どの業者もマージンは似たり寄ったりになることは明白。これはつまり、派遣会社が事業で他社との差別化を図ることが難しくなることを意味する。
派遣会社によってサービスに対する「お金のかけどころ」は結構違う。提供している福利厚生の種類も、質も、社員さんのフットワークも違う。フジスタッフなどは給与明細やタイムシートなどが電子化されていて魅力的だし、未だにそれらに着手していないインテリジェンスは残念だけれども、僕にとっての魅力的な案件はそこが一番たくさん持ってる。OSSに理解もあり、学術活動への貢献に力を入れているパソナテックもまた魅力的だ。アデコは条件はともかく、アホみたいに頻繁に案件紹介の連絡が来るので嫌いではない。
繰り返しになるが、マージンを開示することで、確かにこれらの企業は切磋琢磨するだろうが、その結果コストを切り詰めた先にあるサービスはどこの会社も似たり寄ったりになるに違いないのだ。部屋を借りるとき、仲介事業者を基準に選ぶ人はおそらくほとんど居ない。どこの業者も大差ないからだ。家賃は直接大家さんに支払うという仕組みが一般的である以上、手数料(マージン率)は明瞭だし、ここを調整することで利益を図ることが出来ないが故だと言えるはずだ。派遣会社が勝負するのは案件数だけ、そんなつまらない状況にはなって欲しくない。そうにはならないであろうという考え方があるのであれば、僕も開示制を歓迎する。
でも、僕は本来マージンなんてものは実績を積んで勝ち取っていくものだと思っているので、たとえば同じ派遣会社を利用している者同士で「Aさんはマージン20%でBさんは50%」という構図があったとしても、それはごく自然なことだと考えている。マージンを開示するとこの構図を維持するのがほぼ無理になってしまう。頑張ってユーザから高い評価を得てる人も、登録したばかりで能力も勤怠も未知数な人(世の中には無断欠勤や突然退職することの常習犯だって居る)も同じマージン率になるのであれば、僕は我慢できない。彼らが突然出社しなくなることのリスクは当然マージンに反映されるわけだが、それを僕がかぶることになるはずだからだ。こんな不公平がまかり通る公平なら要らない。
僕は派遣会社はピンハネなんてしていないと考えている。企業は派遣社員に対して5%を支払っているわけではない。「コスト削減という名のサービス」を提供してくれる派遣会社に対して支払ってくれているのだ。その5%は「本来僕がもらって当然」のお金ではない。のぼせちゃいけない。
話が逸れてしまったが、派遣会社はボッタクリ企業では無いし、派遣社員も誰しもが「被害者」ではないということを知って欲しい。
双方に対するあらぬ誤解だけならいざ知らず、勝手な同情はやめてもらいたい。迷惑だし失礼だし、そもそもうぬぼれが過ぎやしませんか。
僕は別に人材派遣会社に悪いところが無いと言っているわけではない。改善点は沢山あるはずだ。だから気分次第ではボロクソに叩くこともありますよ。
問題を解決するに当たって悪い点を指摘し、改善を促すのは当然のことだ。だけど、裏づけや客観性も無く、感情的な批判では決して物事を正しい方向へ導けない。的外れな糾弾は、派遣社員として不遇を強いられている人たちにとっては何の追い風にもならない。
僕は僕なりに足りない脳みそを使って考えた結果、人材派遣会社が50%も60%も暴利をむさぼっているという指摘は誤りであるという結論に達したし、直接雇用すれば給料が上がる、という指摘も、直接雇用に伴うコストを自分なりに算出した結果、話はそんなに単純ではないこともわかってきた。だから僕の言っていることがもし間違っていたのなら、感情的な罵詈雑言のみで終わるのではなくて、できれば「お話」を聞かせてくれませんか。新しい発見があるかもしれません。納得ができれば、僕はいつでも派遣会社否定派に宗旨変えします。
ところで、「日雇い派遣のことを無視するな」みたいなコメント頂いたんですけど、無視してませんよ全然。ネットカフェ難民の存在もきっちり認識してますよ。それでもなお、正規の派遣会社に対して巨悪ってやつを見出せないんですよね。ワンコールワーカーだとかワーキングプアとかそういった言葉は概ね非正規雇用者と呼ばれる人たちにスポットを当てた問題提起だと思っている。派遣社員が非正規雇用者のうちの何パーセントを占めているのかも調べもせずに「派遣制度さえ無くせば雇用問題も解決」というのは短絡的だ。そこんところも併せて考えていただければと思います。
僕自身はいわゆるワーキングプアとしてネットカフェを転々とするような人をこれまでの人生でお目にかかったことが無い。ブラウン管の中では沢山見かけましたけどね。でもおそらくそういう人は実在するのでしょう。「努力しても報われなかった人」「諸事情により今まで努力する機会に恵まれなかった人」の存在は確かに痛ましいことだ。ブラウン管の中で見た彼らはおそらくそういうタイプだったのだろう。
むしろ怠惰な日々を過ごしてきただけで、同情するに値しない人間が「切実な理由でネットカフェを転々としている人」への救済案に、こっそりあやかろうと企んでるケースの方が多いんじゃないかな。ワーキングプアを自称して「貧乏人は努力する機会すら与えられないのか!」と吹いているわりには、別の板では同じidで「吉宗で3万持っていかれたぜ!」みたいなことを書き込んでいるようなタイプのことだ。そんな人にとってマスコミによる格差報道はさぞかし都合が良い流れなんでしょうね。雇用問題に対して打開策を練るのは大賛成だ。だけど、自業自得で窮した人間に対して、それにたからせない仕組みが必要だ。
職業訓練校に通える立場にありながらその勧めを拒否したり、未経験から採用してくれる企業があるのに、激しい選り好みをして拒否ばかりする若い求職者というのも大勢居る。ハローワークの職員は日々こうしたモンスターも相手にすることがあるのだ。嘘だと思うなら取材してみるといい。夜勤は嫌だとかIT業界は残業が多いから嫌だとか肉体労働はしたくないだとか、要求だけは一人前で挙句の果てに「仕事が見つからない。社会が悪い」なんて言い出すようなのが居るんですよ現実に。
さて、僕も雇用問題に関してはわりかし危機感を持っているので、仕事をしたいと心から願って日々精進している若い人たちのために力になれないかなと考え中。おととい、雇用・能力開発機構にメールを出したんだけど返事が来ないんですよね。せめて月々数千円でもそこに寄付とか出来ないもんだろうかと思っているんですが、独立行政法人相手に個人が寄付をするのって難しいのかな。とりわけ高度職業能力開発促進センターの方々の一助になれば幸い。寄付する方法ご存知の方はレスください。ここを寄付の対象に選んだのは、努力できるはずなのにそれをしていない人を利するようなことはしたくないからだ。その点、職業訓練を実施している組織ならば安心だ。そういう組織を活用する人は今の自分のスキルの足らなさをしっかりと自覚して、向上心を持って努力する姿勢を見せている人たちばかりだからだ。あるいは、情報処理科のある刑務所や、Rubyの教育をしている民間刑務所でも良い。本当は自分がノーギャラでお手伝いでもしたいところなんだけど。
些少な力添えではあるけれど、根拠の無い批判を繰り返してるだけの人よりはなんぼかましだ。寄付をするのは善意というより、そんな人たちとはなるべくなら距離を置きたいからなのかもしれない。