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2021-01-14

anond:20210114174713

浄土真宗僧侶増田です。

拙文にもかかわらず、お読みいただき、またもったいない言葉ありがとうございます。このような形でご法縁を賜るのは初めてのことです。

仏教の最大の目的は、抜苦与楽(ばっくよらく)にあります。苦しみを抜き去り、喜びを与えるという意味です。

特に日本では死別の悲しみを和らげることが重視されてきた面があると言えますから、(我々浄土真宗場合は)他宗の49日間という習慣を仮に使わせていただき、その期間中ご遺族の心と向き合い、教えに従って慰めていくことも法務活動の一環としております。そうした意味でも、「見送った人の心を整える」というあなた様の解釈は誤りではありません。


「生きることは即ち苦である」、という大前提の上に仏教は成り立っています

様々な出来事に直面し、悩み苦しむ方々にとって、その方を照らす光となるような、その方を温める熱となるような教えをもたらすことが我々僧侶の使命であると言えます

ですから、このように謝意を向けていただけると、私自身もまた苦しい日々の中に光をいただける思いです。これがお釈迦さまの目指された「自利利他円満(じりりたえんまん:相手も私も喜びに満ちる)」ということなのだろうと感じ入ります


また、お恥ずかしくも増田さんのご親族への批判じみた物言いに終止してしまった私に代わって、現実的かつ理想的なアフターフォローの形をご提示いただいたこと、ありがとうございます観念的な話だけではなく、具体策も伴った上でご遺族を慰められるようになりたいという思いをいただきました。


悲しみはいつ訪れるか分かりません。

その痛みがいつ引くのかも分かりません。

後悔のないように生きたくとも、現実生活の前では様々なことがおざなりになってしまます

それでも、「わたし」も、先立ったあの人も、いつかまた出会える場処を夢見て、今日明日を進みましょう。

心が揺さぶられる時ほど、足元がぐらつく時ほど、「わたし」と人生が問われている時です。

いつか、自分に問うてくださるこの痛みにも、苦しみにも、心からありがとうとごめんなさいの気持ちを持って、手を合わせてゆきたいものですね。

合掌

 
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