はてなキーワード: マハーカッサパとは
システマ関連の動画を見る際に色々歴史を聞いてると、多分中国からきたものが現地の格闘技と融合してできたものなんだろうな、という印象を持った。では中国の道教に由来する呼吸法や仙丹思想のもとはなにかといえば、間違いなくインドのヒンディーに求められると思う。インド人はこれらをサマーディ(悟り)に至る手法としてのみ捉えたが、他の国は瞑想から発生する「意識」のあり方を物理的な動きと連動できないかと考えたのではないかと思う。この端的な表れが中国拳法にある站椿で、立ったまま呼吸を行い内部の動きに注視する手法は間違いなくインドから伝わり中国で完成されたものだ。
実技的な是非はともかく、この融合と文化の広がりが面白い。仏教が発祥して体系を重視しなかった釈迦が、入滅後マハーカッサパなどにより無理やり体系化され、海外に流出する際にヒンディーとヘレニズム文化が合体して仏像や偶像信仰になった感覚に近い。占星術においても、バビロニアから発生した占星術はアレクサンドロス大王によってインドに伝わり、ジョーティッシュとなった。他方西洋的古典的な占星術はアラビア占星術として残った。そしてそれぞれが派生しながらも親しまれている。
重要な点は一人の天才が一代で築き上げたものではなく、様々な発明や人種的な交雑が組み合わさって一つの伝承や秘伝や技法が存続され、やがて忘れ去られたということだ。それらは時として歴史の闇から現れて突如現れたすごいものとして認識されたり、オカルトじみた目線で見られたりする。伝承には様々な民族が作った歴史が混ざり合っているのであり、今のインターネットとは少し違う濃い血の匂いがするのである。