2024-07-20

「アブジェクシオン(abjection)」は、フランス哲学者精神分析学者のジュリア・クリステヴァ(Julia Kristeva)が提唱した概念

この用語は、汚物死体などの「穢れ」とされるものに対する心理的な反応や、社会から排除メカニズムを指す。

アブジェクシオン自己他者境界を守るために重要役割を果たすが、同時に恐怖や嫌悪感を伴うものである

 

アブジェクシオンは、自己主体)と他者(客体)の境界を保つための心理的な反応。主体自分と異質なもの排除しようとする過程で生じるとされる。

身体的または精神的に「汚い」と感じるもの血液排泄物死体など)に対する反応であり、これらのもの社会的にもタブーとされ、排除対象となる。

クリステヴァは、文学芸術がアブジェクシオン感覚を探求し、表現する場であると考えている。これにより、個人社会無意識の中にある恐怖や嫌悪が表面化されると。

 

この考えの面白いところは、よく起こるWeb炎上説明できること。

たとえばフェミニズムにおけるアブジェクシオンは、女性身体が「汚れた」ものであると扱われたプロセス説明するものだが、トランスジェンダー排除生理的感覚説明するものでもあり得る。

また、性的もの公共から排除したいという感覚や、「美しく無い」現代アートに対する感覚説明するものでもある。

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