桃がおいしそうに並んでいたし、広告の品として手頃な価格で売られていたので買ってみた。
帰り道、私がいろんなところに当ててしまったのかそれとも選ぶのが下手なのか、皮を剥くとところどころ熟れてる。小さく切って口にすると、みずみずしいもののあまり酸味も甘味がなくて美味しい桃というよりは…な味わいだった。でも、冷やして食べたあの食感が好きなので満足。
桃なんて、子どもの頃は滅多に食べられなかった。7年に1回くらい?桃だけではない。我が家は誰が聞いても驚くほど貧乏だったので、日持ちもしない上に安価でもない果物なんて滅多に買われない。
数年に一度つくる誕生日やクリスマスの手作りケーキだって、いちごが高いからとバナナを選ばれる頻度が高かったくらいだ。何度かに一度はいちごも買ってもらえるが、そーゆー時でもなければ苺は食卓になど出てこない。
バナナとみかん。あとは、親戚から送られてくる梨。ごく稀にりんご。それ以外はほとんど買うことがなかった。
でも今は、平均年収で働く会社員。子どもを育ててるわけでも、ローン返済に追われてるわけでもない私は、比較的好きなときに果物が買える。
月に多くて2回くらいだろうか。デラウェア、パイナップル(切られたやつ)、ぶどう、バナナ、みかん、その他気になったり食べたくなったりする果物をスーパーで買う。
なんという贅沢。ひとつ250円とか360円とか、肉や魚以外でそーゆー単価のものを買うことにものすごく「いけないこと」感がある。
桃をむく、苺を洗う、ぶどうのタネを出す、金柑を甘露煮にする…働き出すまで、人生でそれぞれ数回しか食べたことがない果物の記憶を呼び起こして、どうやって食べてたかを思いだす。
キラキラつやつやの果物をお皿から食べる時、とても幸福な気持ちになる。みずみずしくて、お菓子とはまた別の甘さ。ほんとうに、贅沢だ。
ワイは週4回果物食べるやで。