2024-06-02

投稿を禁じる規則無効である

はてな運営運用管理に関する法律(以下、はてな法)」において、はてな匿名ダイアリーの運営運用管理について定めた第7章では、126条第1項において「増田必要があれば特定投稿を禁じることができる」と定めている。そして具体的にどのような場合投稿を禁じるかについては、同条2項が「前項の必要命令を以って定める」とされている。そしてはてな法の委任を受けた「はてな匿名ダイアリー施行規則(以下、増田規則)」は201条3号にて「再投稿を禁ずる」と定めている。

思うに、はてな法が投稿を禁ずることができる場合とは、犯罪扇動個人プライバシーに関わる情報個人名誉毀損する表現、その他運営に重大な支障を及ぼすものなどで、それらの中で国民一般に広く保障された表現自由考慮してもなお看過し難い重大なものに限るという趣旨であると読み取れる。

「再投稿によってサーバーに負荷をかけ、はてな運営に支障が生じ、また同じ投稿が繰り返されることにより利用者重要投稿を見逃し、よって利用者の知る自由知る権利が害される」という被告の主張するおそれは再投稿以外の投稿によっても容易に起こり得ることであり失当である増田規則が再投稿のみを殊更に禁じたことは不合理なものであり、同規則の当該定めははてな法の委任を超えた違法もの評価せざるを得ず、その限りにおいて無効である

よって原告及び利用者私生活上の自由の一つとして再投稿をみだらに禁じられない自由保障される。また利用者は内容に対する非難はともかく、再投稿それ自体非難する権利保障されず、それどころか法律を以てこの再投稿非難する権利付与すること自体も許されない。

なお、この判決抵触する限りに置いて増田規則の当該定めを違法ではないとした当裁判所判決(~『お前らが恋したいちご100%登場人物挙げてけ』再投稿禁止事件に関して~)を変更する。

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