2023-09-05

産みの女

私が中学生の時、母は父以外の男性寝取られた。我が親ながら物好きが居たものである

母は家事育児が苦手な人で、蛆のわいた部屋で、ゴミに埋もれ寝ていた。

多数の借金を抱えていたらしく、金銭を父に強請ときは女の武器ナミダを巧みに操る頭脳派だった。演技派女優もびっくりの早泣きだった。親戚からは除け者扱いされ、虐めに遭ってた。

機嫌の悪い日は殴ってきた。さすが頭脳計算高い。おそらく虐待を疑われたら自分が困るから顔は狙わずに、外からは見えない鳩尾を狙うのだった。

表面的にはお調子乗りで明るい人だったから、先生たちからの評判は良かった。躾は先生に任せてた。

機嫌の良い日は畑仕事に勤しんでた。野菜か何かを育ててた。ある夏休み、私が先生(優しくて唯一我が家の異常性を見抜いてた人)に貰って植えた向日葵を誤って潰してしまったらしい。母は笑ってた。

ある日、父との離婚を伝えられた。

離婚するから

はい

母とはそれ切りである

今なら労りの言葉くらい掛けられたが。

私は自分感情を覚えてない。鳩尾を殴られた感触にも、何故かいきなり費用を払って貰えなくなって塾に通えなくなったことにも、潰された向日葵にも、ネグレクトされてたと後で気付いたことにも、悲しみがない。まるで他人事。いや、他人事にしないと悲しくて悲しくて駄目になってしまうから、脳が守ってくれてるのかも知れない。

人体の神秘感謝

そういえば母はヘビースモーカー歯磨きしないのに、歯は白くて歯並びも綺麗だった

これも神秘の1つじゃないか。私と母は今も神秘によって繋がってる。

数年前、親戚伝いで母に子供が産まれたと聞いた。

この国のどこかに、顔も名前も知らない腹違いの弟か妹がいる。

私は今でも時々、旦那よりイイちんちんに喰らいつく、かつて私を産んだ女の裸をぼんやり想像する。ニキビだらけの荒れた肌を。

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