・主人公が美しい、おしゃれ
主演のケイト・ブランシェットが美しく、演技も素晴らしい。あとキャラクターとしてファッションセンスが良くて、シンプルながら見惚れる着こなし。ファッション誌の映画レビューでも褒められるような感じ。しかしこの美しさは男社会を生き抜く鎧だったのかもしれない。
ほとんどBGMが無く、生活が描かれる場面での静けさと、オーケストラが演奏する時の大音響との巨大なギャップ。その音楽の巨大な力を、主人公が1人で制御している全能感。音によって、マエストロが手に入れた権力が伝わってくる。
・人間の強さと弱さが描かれる
オーケストラの世界で世界最高の指揮者にまで登り詰めた主人公、その情熱と才能は本物。タフで知的で社交的。でも一方で、傲慢で感情的。その人間的な弱さの部分が、徐々に自分に跳ね返ってくる。破滅が近寄ってくる。その演出が怖い。くる、きっとくる。
・よく練られた構成
開幕、よく分からないシーンがあり、スタッフロールがはじめにあったり、長いインタビューで主人公が語り続けたり。なんだこりゃ?大丈夫なのか?という不安からはじまりつつも、最終的には意図が分かって腑に落ちる。ただ、上映時間はけっこう長い。トイレに行きたくなるかもしれない。
見終わった時に、どんな顔をすればよいのか良く分からなくなる。自分は何を見たんだ?この感じ…今まで見た何に似ている?ハッピーなのか、バッドなのか。ハッピーだとして誰にとっての?何かものすごく今の時代を捉えていつつ、神話や寓話を見たようでもある…よく分からない。つい後で思い出して考えちゃう。つまり癖が強くて面白いってことか。
zip, gzipとかcompressについてはどうかな
土曜日の会話レベルってこれか めちゃくちゃやべーな