中止か失敗か,本来ならJAXAの定義に基づけばよいのだけど,啖呵を切った手前,それを引っ込められないアホライターがおり,何故かそれを擁護するアホ識者がいて,状況が混沌を極める.
一般的には,ChatGPTによって整理された,以下の見解が正しい.
https://twitter.com/ohnuki_tsuyoshi/status/1626569333962059778
「JAXAと三菱が税金を無駄遣いしたフンガー」という方向に持っていきたい気持ちもわからなくは無いが(三菱ジェットは失敗してるし),100歩譲って「オレの失敗定義」を考慮したとしても,以下の2,3の点からやはり中止と捉えるべきである.
H2A,Bのロケットは,打ち上げあたり,100億ほど掛かるらしい.これを,H3ではクオリティを維持した上で,50億まで圧縮したんだそう.
さて,打ち上げに成功か失敗かをコストの観点で判断するとき,投入した一発あたりの資金50億によってロケットが目的を果たした(宇宙空間に行った)ことを成功,それができなかったことを失敗,と分類すべきであろう.
今回は中断または中止によってロケットが宇宙空間に行かなかったから,少なくとも成功ではないが,投入した資金50億がパーになったわけではなく,再調整によってリトライできる.このリトライによって目的を果たせば,成功となる(もちろん爆発すれば失敗だ).再調整にも追加費用は掛かるだろうが,明らかに50億からすると微増であり,リトライによって打ち上がれば,資金の観点からも成功と呼んで差し支えないであろう.
リトライの結果がわかっていない以上,「50億の打ち上げ」に対して成功した,失敗した,と断ずるのは時期尚早である.
JAXAのロケット打ち上げ成功率は98%ぐらいらしい.55回ほど打ち上げて,失敗は1回のみだったそうだ.
このような統計データを取るには,厳密に各打ち上げを成功・失敗に分類する必要がある.1回(成功または失敗)をどのようにカウントするかについて,2のように一発打ち上げるために投入した資金(50億)による打ち上げの成功・失敗でカウントするのが,もっとも妥当だろう.民間や外国がJAXAに探査機の打ち上げを依頼するとき,この成功率と費用で費用対効果を判断するわけだが,そのときに中断を失敗と捉えるような統計を参照したりはしない.
よって統計的な観点でも,今回のものは中止または中断であり,打ち上げに対する「失敗」とカウントするとこの統計に影響を与えるため合理的でなく,「オレの失敗定義」で勝手に分類方法を変えることも許されないのだ.
以上,中止または中断である.
詳しい説明サンクス 失敗ということがよくわかった
礼には及ばんでござるという話