2023-02-09

[]突然跳ね上がった米中古車価格FRBインフレ鎮圧戦略に誤算か

米国中古車価格が1月に大きく上昇。予想外の値上がりは購入希望者の不満を強め、利上げが続く中でインフレが沈静化に向かうとの期待をくじいている。

  自動車オークションを手がけるマンハイムデータによれば、1月の米中古車平均価格は前月比で2.5%上昇。昨年1年間では15%下げていた。同社のデータ新車市場の先行指標ととらえられており、新車価格は下がり始めると消費者最近まで考えていたことがうかがわれる。

  マンハイムがまとめた中古車バリュ指数は1月に前年同月比で12.8%下げたものの、前月比では2カ月連続で上昇した。中古車オークション価格が上がっているだけでなく、ショールームでの店頭価格も高い。強い数字となった雇用統計も相まって、インフレ沈静化にはさらなる取り組みが必要となりそうだ。

  調査会社インフレーション・インサイツの創業者メイアシャリフ氏は「市場インフレ天井を打ったと考えている」と指摘。「中古車価格の上昇傾向はそれとは違う方向に向かっている」と述べた。

  中古車価格消費者物価指数(CPI)コア指数の4.5%を占める重要要素だ。中古車価格の1ポイント上昇はインフレ全体を5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)押し上げると、シャリフ氏は述べた。

  インフレの緩和はこれまでのところ、主に財が率いてきた。米金融政策の焦点は労働市場のひっ迫が賃金インフレに上昇圧力を与えるサービスセクターシフト。CPIに算出されている中古車価格過去6カ月で下げ、当局インフレとの闘いを支援してきた。しかし、ここにきての価格上昇は流れが反転することを意味する。

  米レンタカー大手ハーツグローバルホールティングスのスティーブン・シェール最高経営責任者(CEO)は、中古車オークション店頭販売の両方で過去5週間に価格が急上昇したと話す。

  「特にこの4週間の価格反発は著しい」とシェール氏。「価格の安定性がはっきりとし、上振れ余地が増えている」と述べた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-08/RPRK38T0AFB601

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