vtuberは夢を与えてくれた
この僕に夢を……そして生きる意味を
ただいまぁ……あまり広くない部屋に力無き声が響く
僕だけの唯一の空間
大型のTVに電源を付けその時を待つ
「早く来ないかなぁ……」
口癖になりつつあるがそれも良い
そして待ちに待った声が脳を貫く
「こんるしー!」
ー来た!!待ってたよー
こんるしーと僕も返す
幸せだった
普段誰にも見向きされなくても家に帰ればこんなにも満たされるのだから
僕に取っての終わりが始まりを告げた
画面左上に表示されたボイスチャット
点と点が線となり
疑いようも無い事実
刃物を胸に突き刺されたようだ
その痛みが響けば響くほど
僕の居場所を狭くしていく
終の住処だった居場所が形を無くし消えていく
僕の居場所が……
それは出来なかった
それが例え叶わない夢だとしても
僕は台所に行き
一応無いだろうけど手料理を振る舞って……等と浮かれて新品のまま今日この日まで使われて居なかったのだが
節約して買ったグッズの数々
少ないながらも勇気を出して配信にスバチャした日にありがとう!と言われた時
仕事が上手くいかなくて全てがどうでもなり僕には誰も頼るものがいない時にふと現れたのがるしあだったんだ……
それも今は全てが懐かしい
リアルでは過ごせなかったけどそんな短い間に夢を見させて貰ったこと
「っ………騙すなら騙しとう……せよっ」
声にもならない慟哭が部屋に響く
SNSをとうして伝えたら
一緒に生きようねと…
今では思えば思う程の生き地獄だ
何を言っても何を叫ぼうとも届かない
赤スパ等でほのめかす事も出来るがそれはヤメた
僕の胸に大きな穴は埋めきれないから
震える手で新品の包丁を手に取り脇腹を突き刺す
彼女を守る為にと鍛えてきた身体は無惨にもその凶気によって失われていく
命の灯火が失わせまいと鼓動打つ中 苦しみで更に3度4度僕の身体を突き刺す
真っ赤な鮮血が推しを真っ赤に染めて僕の身体はふらふらと向かうべき場所へ逝く
ありもしない幻想を抱きながらベットへ突っ伏すと横にはいつも抱きながら寝ていた物が
「る…ネクロ…マンサー……来世は……あるならそっちにうまれ……後…かのじょがしあわ……せで……」
僕は死んだ
自分自身の手によって
僕に届くはずの無い指輪
……………
力が欲しいか?
謎の声に僕は目を覚ました
冷えチキ文学が増田にも投稿されるのか・・・