君は本当にいい奴だよ。
ガキ同士なのに親の不幸に手紙をくれて励ましてくれたし
それなのに傷つくのが嫌で自分からは何もアプローチをせず孤立する大学生の俺に保育園からの仲だからと数年越しに連絡をくれて。
一回見た映画なのに俺が見たいと言ったらそのことを言わずに一緒に見に行こうと誘ってくれた。
都会に順応しておしゃれな君は、いろんなところに率先して連れてってくれて、一緒に楽しもうとしてくれたのに
きもくてダサい俺は自尊心を削られつまんなぇ自虐ネタしか言わないカスなのに笑って流してくれた。
完全に失望されたと思ったのに、その後もLINEでまたいこうなって言ってくれて。
放置すれば関係はリセットされてその日のことはなかったことになるんじゃないかって思ったんだ。
あれからまた数年たった。
目論見通り君には失望されて一切連絡を取っていないし僕は相変わらず俺は孤立した気持ち悪い奴のままだ。
恐らく君の中では俺の記憶なんて残っていないだろうし、あってもクズとしてしか存在しないだろう。
しかし人と関わる機会がまったくない俺は数少ない人生のイベントとして頭のどこか片隅にあって、ちょうど夜中に急にそのことを思い出したんだ。
だけど、今更焦って文章に残しているのは謝りたいという気持ちからではないんだ。
どうでもいい他人のどうでもいい出来事に対する謝罪なんて受けても困るだろうし、俺も復縁できるとなどとは思っていない。
自分への戒めにしたいんだ。
とんでもなくいい奴を、カスみたいな態度であしらって永遠に失ったことを。
俺が孤立した気持ち悪い奴なのは俺が絶望を信じて歩んできた針路の結果であって、それ以上でも以下でもないってことを。
いい奴の周りにはいい奴が集まるって言うし、久しぶりにスクロールして見たlineプロフィールから察するに君は充実した生活を歩んでいるだろう。
どこかとても安心したよ。