子供の頃は夜11時に飯食って11時半に寝るのが普通の生活だと思っていた。
親父の残業が終わるのが9時ぐらいでそれから2時間ほど通勤電車に揺られて帰ってくるのに生活リズムを合わせていただから。
普通の家は6時や7時に晩飯を食べると聞いて理解が追いつかなかった。
答えは簡単だ。
俺とおふくろはオヤツを沢山食べていたのだ。
当たり前だ。
朝・昼・晩を普通に食べて、それに大量のオヤツを入れているんだから。
しかも夜は食ったあとすぐ寝るし、なんならオヤツを食べたあとも夜寝る時間がおそすぎるせいで眠り足りないから沢山寝た。
お袋が「食事は皆で一緒にするもの」と思い込み、親父は「家で子供が待っているからって早く帰るとかありえない」と思い込み、俺はそれが普通だと思い込んだ。
中学校に入ったぐらいからは部活で自分の帰りも遅くなったし、そのあとでガッツリ寝ようとしたときに限って親父が早く帰ってきて起こされるので、いつの間にか学校で寝るのが普通になった。
特に部活で朝練がある時期は夜11時半に寝て朝5時に起きる生活になり、マジでキツかったから仕方ない。
残業が少ない日でも夕食は11時ぐらいに食べたし、仕事が早く終わったからと帰ってから昼寝をしていた。
35ぐらいでバグった。
夜型というよりも1日をバラバラに分割して暮らすワッチ性の警備員のような歪んだ生活リズムだったことに限界が来てから知ることになった。
病院にいったら答えは明白だった。
そもそも夜11時に飯を食って11時半に寝るのが間違っていたのだ。
俺が一人暮らしを始めるまで20年ほど続けた実家で当たり前のように続け、それからは10年ほどこれが正しいのだと頑張って守ってきた生活のリズムが根本的に狂っていたのだ。
ショックだった。
あなたみたいに常識のない人が就職していることと、35歳までその非常識に気づかなかったという事実に、こっちがショックだわ