一ヶ月ほど前、北海道新聞の記者が、旭川医科大を取材中、「大学側から立ち入り禁止」とされていた場所に入り、無断で録音していたために逮捕された事件があった。
ここでは、「法を守るべき」という批判意見から「社会悪を正すためには必要。それとも中国などの法も守るべきなのか」という擁護意見まで入り乱れた。なお、ここでは「逮捕」の是非については問わない。
ただし、その後の北海道新聞の報道の仕方が「ヤバい」ので、ここに書いておく。結論から言うと、自分にとって都合が悪い部分は省いて報じている。
つい3日ほど前、メディア総研がこの件についてコメントを出した。もともと、メディア側の立ち位置なので、警察の逮捕は批判されている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/92699b7a58206b6f2a49d4a5b496f2bec008d84c ( https://archive.ph/31Ggq )
社会に開かれた施設の公共性や、公共の利害に関係する事実を明らかにするためであったことを考慮すれば、記者の立ち入りは、録音を含めて報道を目的とした正当な取材活動である
「報道機関としての説明責任を果たしておらず、記者を守る姿勢も感じられない」として、第三者機関による再調査と、記者が安心して働ける環境整備を求めた。
北海道新聞の調査結果は、記者の逮捕を批判していた者の間でも批判されており、この見解は正直、目新しいものはない。
この見解は、北海道新聞でも報じられている。しかし、北海道新聞は、この「報道機関としての説明責任を果たしておらず、記者を守る姿勢も感じられない」という北海道新聞への批判部分をまるまる省き、「記者の逮捕は問題だ」という(自社にとって都合の良い)部分のみを報じた。
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/575598/ ( https://archive.ph/x8nMU )
ひょっとしたら有料会員なら見える部分には書いているのかもしれない。しかし、サイトにアクセスするユーザーは、大半が無料会員であるはずなので、これは明らかに「意図があって隠した」と見られても仕方ないだろう。
記者は確かに、正義のために法を破る事も必要となる場面があるのかもしれない。しかし、こんな会社が、果たして「正義の報道」を実行できるのだろうか?