「映画は90分以内に限る」
だけでしょ?
才能がある人達が運命的な出会いを通して花開いていくストーリーライン自体はテーマじゃなくて「映画は90分」を語るための溶媒なわけだが。
それを単行本一冊でやるのは綺麗な落ちになる。
だけど映画一本の90分のテーマとしては「やっぱ映画は90分じゃねーとな」ってのはなんかピンと来なくない?
俺の好きなものを俺の好きなものを好きな誰かに好きだと伝えたいって主人公たちの動機は映画業界を舞台として夢を描く作品としては良いと思う。
でもその行き着く先として「映画は90分以内」ってのはどうなんだろうか?
テーマを味わう作品じゃなくて映像と物語のテンポを味わう作品なのかも知れんのやけど、それだとすると90分の映画としては起承転結の波が弱いというか。
「90分」の根拠ってのは要するによくあるN段階式ジェットコースター構造はどでかい2段階式か大中合わせた3段階式を90分でやるといい感じに集中力を維持して楽しめるぞって話じゃん?
でもポンポさんの物語構造ってジェットコースターとしての位置エネルギーを運動エネルギーとして爆発させるポイントはポンポさんが撮りたかったカットに一点集中させてるわけで1段階式ジェットコースターの前後に小さな丘があるだけなんだが、それって90分でやると間延びしないか?
特に後半の編集周りの話はジェットコースターの運動エネルギー大爆発の残滓でグイっと上がってチョイっと落ちて、最後にググググとスタート地点へと戻っていく構造なんだが、これも映像でやると割と尺が長いわけで漫画で読んだ時は本当にエネルギー大爆発のあとのパワーに押されるままに読んでいたらいつの間にか話が終わってたぐらいの感じなんだがやっぱ映像だとな~~~~。
これはポンポさんの「90分」的にどうなんだ~~~~?
いやもうテーマというか、ぶっちゃけこの漫画って90分で映画にしちゃったら実は駄目だったんじゃないっていうか。
作品のリアルタイムの「90分」とポンポさん理論の「90分」が乖離しちゃってるというか。
いやでもこれは完璧に鑑賞者が映画に魅了されてたらちょうどよかったのかもな~~。
声優の演技とか脚本の90分にするための尺稼ぎとかの部分でもうちょい頑張れたんじゃねえかなって所が結構あんだよな~~~~。
まずどれだけ読解力がなかったら「映画は90分以内に限る」がテーマだと勘違いできるのか戦慄するんだけど(「誰か一人に見せたい映画を撮れ」とかの伏線ガン無視したんか)、あの作...