例えばこんな文を英訳してみるとしよう。
これをGoogle翻訳に通すとこうなる。
この結果、実はどちらもやや不自然で、あえて再翻訳するならこういった調子になる。
では人間ならうまく翻訳できるのかというと、自然にはなるかもしれないが完璧にはならない。ためしにやってみると、
となるが、これは(偏見に基づいて)確率が一番高そうなものを選んだだけだ。実際には以下のように、文中にいくつもの選択肢が現れる。文の構成についても考えないといけないかもしれない。
(I? We?) met (a? the? our? your?) teacher yesterday, and (he? she?) was with (a? the? his? her?) (child? children?).
そういったいくつもの選択肢がある中で、どれが正解かは話者の意図、より一般的な言い方をすれば文脈を知らなければわからない。
ここで示したのはあくまで一例で、英語にある性・数・定性が日本語では曖昧なことから生じる問題だ。逆に日本語では明確な違いとして現れる概念(例えば「私は食べる」と「私が食べる」)が他の言語では曖昧で、日本語訳が本来の意図を正確に表現したものにならないこともあるかもしれない。もっと単純に、言語間で一対一に対応しない語のニュアンスをうまく一致させられないこともあるだろう。
結局何が言いたいかというと、翻訳をするのが人間だろうと機械だろうと、文脈がなければ良い翻訳は難しいことを知ってほしい。特に短い文なんかの翻訳を人間に依頼するときには、文脈を必要なだけ補完すること。機械翻訳を使うなら文脈的な間違いを人力で修正するか、あるいは間違うものだと受け入れて使うこと。いくら文法的な精度が上がっているからといって過信をしてはいけない。
地の利を得たぞ!
それはない