①フェミニズムが主張する、男らしさや女らしさが消滅し、経済的、政治的平等が達成された社会が存在すると仮定する
②その世界でも、異性同性問わずパートナーを欲する人々が大半を占める
⑤選ばれなかった苦痛を軽減できた人や、そもそもパートナーを獲得しようと思わなかった人も、パートナーを獲得した人間から劣ったものだというレッテルを貼られ続け、苦痛を受ける
⑥これらの苦痛は、男らしさや女らしさの規範が現存するいまの社会に存在する苦痛と同じ種類のものである
⑦以上から、フェミニズムは現実に存在する社会の苦痛を取り除く運動とはなり得ない
付記 フェミニズムは現実の社会において、既婚者が未婚者に対して与える負のレッテルを批判すべきである。現実社会においては、結婚をしているというだけで独身者の孤独を語る資格は失われると知るべきだ。パートナーのいない者の苦痛はそのような人の内面から発生するのではなく、外部の視線から来ることを知るべきである。それらは男らしさや女らしさの規範とは無関係の、自身の幸福を確認するために劣位者、不幸者を探し求める視線である。自分のなんらかの選択が他の選択と比べて本当に幸福をもたらすものだったか確認不能であるがゆえに、他の選択をした他者の不幸を探し求める視線である。社会に存在する全員が持つ、他者の劣位を求める視線を批判すべきである。