お母さん
その職人気質は尊敬するけど、私が一体今までに何百万のお金を渡したでしょうか。
私が一人暮らししながら貯めたお金を、うつ病一歩手前まで追い詰められながら働いて得たお金を、どれだけ渡しましたか。
でも私のことは誰が助けてくれるんでしょうか。
私は私が老後まで生きていけるように計画を立てて仕事をし、資金繰りをしているのに、
私は一人で生きていく覚悟を決めたのに、
「やっていけないから家に戻ってきて欲しい」と言われた時は絶望しました。
人生が終わったと感じました。
薄給だけどそれなりの生活はできていて、国内なら年に何回か旅行をして
そう思っていた私は贅沢なんでしょうか。
妹が傷つくようなことを言うから、お母さんは妹にすごく気を遣いながら接しているから、
私は波風立てないように真面目な「いい子」でいなくちゃいけないから。
31日から実家に帰って、2日に近所に初詣に行こうと思っていたけど、
私が喉が痛いと言って中止になり、私は家に帰ることにした。
昨夜から調子が悪くて、でもアレルギーの一時的な咳の可能性もあるから朝まで様子を見ていたんだけど、
妹は「もっと早く言ってよ」と言ったらしい。
私には言わない。
お母さんに言う。
お母さんは、駅まで送る帰り道で私にそれを言った。
ショックだった。
私が我慢して予定通り出掛けていれば、誰も嫌な思いをしなかった。
私のせいだと思った。
私が我慢しなきゃいけないんだと気付かされた。
私が家に戻れば金銭的にもお母さんと妹が助かる。
私が我慢して心と人生を殺せば、二人は、母は、助かるんだなと思った。
私が我慢すれば。
見捨てたら後悔すると思う。助けてあげられない自分に絶望し、責め続けると思う。
心を殺しながら、家族に気を遣いながら、この先何十年も生きていくことに絶望しながら。
逃げたい。
どちらに転んでも後悔して心を殺すなら、辛い思いをするなら、いっそ死んで逃げたいと思う。
そしたら何も考えずに済むのにな。
でも私は真面目だから、お母さんを悲しませるようなことはしないんだ、自殺もできない。
ただ時間が経過するのを待って、病気だか寿命かで死ぬのを待つしかない。
年取って病気になったりボケたりしても、誰も私のことは助けてくれないんだけどね。
35歳、娘の独り言。