誰からも「仲のいい夫婦」と評され、離婚とは対極にいるような夫婦生活を続けてきた
他の人たちからは順調に見える人生だったのだろうが、セックスレスと関係修復の繰り返しをただ続けた人生だった
今年の夏頃、めっきりとセックスをする機会が減り、5度目のセックスレスの予感があった
妻が愛情を注ぐ対象はいつも一つしかなく、今回は念願の猫を飼い始めたことがきっかけだった
猫に惜しみない愛情を注ぐ一方、俺にはおろか、子どもたちにまで感情的になることが増え、家族を置き去りにして愛の供給を絶った
そのことを指摘すると反省したそぶりを見せ、数日はよくなるが、気が緩むとすぐに元どおりになった
理由をつけては誘いを断り、最近では誘われないように避け始め、そんな態度に嫌気が刺して俺から会話を意図的に減らした
そんな時に「私はもうセックスしないでいいと思っている」と一方的に通告された
夫婦の根幹を揺るがす発言をしたその口で、翌日もくだらない話を嬉々としてしてくる様を見て、醜悪さを感じるまでに嫌悪感が増した
それでも、二人で重ねた歳月の思い出がよぎり、もう一度頑張って関係の修復を試みようと、断られ避けられてくじけそうになった心を奮い立たせた
だが、怖くて言葉が出なかった
きっとまた同じことを繰り返すだろう、そして今よりももっと妻を嫌いになって、憎み、呪うようになってしまうだろう
俺がそこまで考えていたことは、まるで想像すらしていなかったようで、青天の霹靂だったんだろう、妻は何も返信をしなかった
過去に遡り、3度目のセックスレス解消の時に「性欲がないからしたくない」と言われ、「じゃあ俺は食欲が湧かないから君も食事をするな」と極端なことを言ってみた
怪訝そうな表情を浮かべて何か反論したそうな妻に、「生命維持とセックスを同等に扱うな、といいたいんだろう」と代弁してみると、その通りと言わんばかりの顔になった
「俺があと何年生き続けるかは分からないが、俺は君とセックスがしたい。でも、君は一生応じない可能性がある。食欲のたとえとどれほどの差があるのか考えて欲しい」
「俺には君の言葉が「もう一生オナニーしてろ」と聞こえた。前回、前々回であれだけ傷ついて傷つけあって得た教訓がないがしろにされて、悲しいし悔しい」
そこまで言葉にして伝えて、ようやく俺のいいたいことが理解ができた様子だった
妻はきっと不器用なんだろう
家族を等しく愛することが、妻にとっては難しいのだろう
その中で、夫として愛し愛される関係を求めた俺の罪の結果なのだろう
妻は何も言わぬまま寝室へ行った
俺はこの時間まで眠れずにいる
強い言葉で目を覚ましたいという思惑はわずかながらあったが、勝ち目のないチキンレースはもう疲れた
もうすぐ朝が来る
ハプニングバーにでも行ってみればいいんじゃない。自分は行ったことないけど…
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