もちろん、趣味でやってる人はその道を極めればいいと思う。そこは否定しない。
だが、「漢検 メリット」とかでググると、はっきりと「進学や就職の役に立つ」と言っているものから、やや控えめに「大学や就職先によっては役に立つ場合もある」というものまで、結構ヒットする。
いやいや、断言するが何の役にも立たねーよ。そりゃ、すげー極端な事例には当てはまるかも知れないが、普通に生きてて漢検の実用的なメリットを感じる瞬間なんか無いって。
漢字の知識ってのは、そりゃ重要だ。たとえば、「有終の美」の「ユウシュウ」は優れているという意味の「優秀」ではない。そういうことは日本語を使う上で知っておいた方がいい。しかし、「齟齬(ソゴ。意見や事柄が食い違うこと)」とか「髣髴(ホウフツ。よく似ているものを見て、そのものを思い浮かべること)」なんて字を手書きで書けるかどうかは、全く重要ではない。意味は知ってる方がいいが。
今はコンピュータがあるから、漢字が書ける必要は無いという意見がある(勿論、山とか水とか木とか、そのレベルは書けないと困るだろうが)。これは正論だが、コンピュータの無かった時代も、複雑な字や使用頻度の低い字を書ける必要は無かったんじゃないのか。「彼の振る舞いは、政治家であった彼の父をホウフツとさせる」などの用例は、今も昔もよくあると思うが、昔はこの「ホウフツ」を調べずに書けなければいけなかったかどうかは、非常に疑わしい。
今も昔も重要なのは、「漢字を知っているかどうか」ではなく、「内容のある文章や口述等の中で正しく使えるかどうか」だ。その意味では、漢字検定はほとんど役に立たない。漢字検定の問題は読みと漢字の対応を暗記させるだけであり、具体的な文脈からは切り離されている。また、出題される漢字は、単に使用頻度に基づいて分類されているだけであり、政治経済に関するもの、文藝で用いられるもののような実用的な分類がされている訳でもない。
また、知的好奇心を満たすために漢検の勉強をする人もいる。これは異論ある人もいると思うが、上に述べたような理由から、漢検の勉強がそういう目的に則するかどうかは微妙だと思う。本当に生き生きとした漢字の知識を得たいのであれば、近代以前に書かれた文学作品とか、漢籍などを読んだ方が有意義であると思う。
漢検が評価されてる企業や大学なら役に立つんじゃないの?ピンポイントで ぶっちゃけ 2級が一般常識程度→一般常識なのでそんなに自慢にはならない 準一級以上はカルトクイズレベル...
世の中、暗記ごっこの受験勉強の結果得られた大学名が評価に占める割合高いからねぇ。 漢検も似たようなもんでしょ。