結論から先に書いてしまえば、楽に調理を済ませたい方には向かない食材です。
自分の調理技術を上達させたいという方には向いている食材です。
自分がどちらのタイプか? という事を考えて選べば良いと思います。
以下は長い蛇足です。
鶏むね肉は肉類の中では水分が多く比較的脂質も少ない食材で、それ故に加熱調理によって水分が失われるとパサッとした食感になってしまいがちです。
それ故に初心者には向かない食材ではないか? という声があるのは理解できます。
単に焼く、炒めるといった調理法であれば鶏肉であればもも肉、豚や牛であればバラ肉といった脂質の多い部位の方が楽でしょう。
まず加熱時に多く脂が出るので焦げ付きにくいという点があります。
これは初めてフライパンを持ったという様な方にはとても有利な点だと思います。(火力が強すぎると火事の恐れがありますが)
また加熱しながら塩コショウや焼き肉のタレなどで味付けするだけでも、ご飯のおかずになるだけのしっかりした味になります。
脂自体が味覚を刺激するので、それほどしっかりした味付けをする必要が無いからです。
楽に調理を済ませるという点で考えると鶏むね肉よりも、脂質の多い部位の肉類が向いていると言えるでしょう。
では鶏むね肉は料理初心者にはオススメできない食材でしょうか?
私はその方の料理に対するモチベーション次第という面があると思います。
とにかく楽に調理を済ませたい、簡単に済ませられたらそれで良いという方には鶏むね肉は向かない食材でしょう。
コストの面を考えて鶏むね肉を選ぶとしても、すでに調理済みの商品や味付けされた商品を購入した方が良いと思います。
鶏むね肉を美味しく調理するのはさほど難しい事ではありませんが、それなりに手間はかける必要はあります。
当然ながらその手間を惜しめば、多くの場合、あまり食べたくない様な料理が出来上がってしまいます。
逆に言えばそういった手間、つまり切り方や下味の付け方、肉への火の通し方、揚げ物であれば衣の付け方といった肉類の基本的な調理法を覚えるには良い教材なのです。
グラム単価で考えれば肉類の中でも突出して安いという点も優秀な教材と言えるでしょう。
お店にもよるのでしょうが、鶏もも肉の半額くらいで販売されているケースが多いのではないかと思います。
食材の値段が安いという事は、それだけ新しいレシピへの挑戦のコストを下げるという事でもあります。
たとえ失敗したとしてもです。
例えば、自宅勤務が増えて家にいる時間が増えたから、これを機に料理を覚えて家族や恋人を驚かせてやろうといった考えの方が居たとします。
私はそういった方には鶏むね肉を使ったレシピをどんどん作る事をオススメします。
最初は単に焼く、茹でる、蒸すといったシンプルなものから、次に初心者の関門の一つ揚げ物を、さらには火の通し方や下拵えに一工夫が必要になる煮込み料理、といった順番が妥当でしょうか。
その上で下拵えを一通り学んだ上で焼く、茹でる、蒸すといった調理を行うとどう変わるかという体験を得られるところにまで至れば、その方は鶏肉料理に関してはかなり上手になっているはずです。
そしてその段階までくれば他の肉類を使った料理もそれなりに作れる様になっているでしょう。
なぜなら下拵えを重視する必要がある鶏むね肉のレシピは、他の肉類の調理にも応用が効く場合が多いからです。
たとえ脂質の多い部位の肉であっても、下拵えをちゃんとやった方が美味しいです。
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